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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
五月、皐月、May…
23/240

23.てすべん~一夜漬け~

ご利用は計画的に!


「…つまり?」

「この辺と角が分かってる訳だから正弦定理で」

「はぁ」

「代入して2Rイコール2sin45°。もう分かるな?」

「あぁ、そうやるのか…」


 放課後。僕の部屋。槙とテスト勉強中。

 僕はもはや理解不能といえる正弦定理、余弦定理について槙に教えてもらっていた。


「今思ったんだけどさ」

「なんだ」

「これ覚えて何かに使えるの?」

「知るかよ…それ言ったら虚数とか級数とか微分積分、三角関数とか最早存在意義すら分かんねぇよ」

「名前すら知らないよ僕は…」

「別に用途とか知らなくてもテストには出るんだよ。困ったモンだ」


 その時、僕の部屋のドア(部屋の中から見て蝶番(ちょうつがい)は右側にあり、引いて開けるタイプ) が開いた。


「用途もしっかりあるよ?習わなかった?」


 柚が部屋に入って来た。


「…いつも思うんだけど、柚ってホント神出鬼没だよね」

「だよな」

「でもボクは槙みたくワープはできないよ」

「まぁそうだけどさ…」

「なんで俺がワープできるみたいな方向で話進んでんの?」

「で、その用途ってどんな?」

「例えばさ」


 柚がどこからか座布団を召喚して座る。…いや、どこから出したの?


「こう…河があるだろ?」

「うん」

「この河の対岸にある木までの距離を知りたいのさ」

「そんな距離知って何するの」

「何もしないさ。気分だよ」

「なるほど」

「納得すんのかよ」

「この河の上を通して巻き尺か何かで測っても良いけど、大変だろ?面倒だし」

「うん」

「そこあえて巻き尺なのな…」

「そこで正弦定理。この木をA、こちら側の岸にB、Cを作る」

「うん」

「このBCの長さを40メートルにしたら、角Bが65°、角Cが59°になった」

「うん」

「なんでそんな微妙な数字なんだ」

「現実なんてそんな物さ」


 あ、槙が微妙な顔してる。


「そうすると角Aは…槙」

「なんで振った。56°だ」

「正弦定理sinA分のaイコールsinC分のcに代入。sin56°分の40イコールsin59°分のc」

「うん」

「なんか今の樂が居れば宝くじ当たりそうな気がするな」

「つまりcイコール…sin56°分の40かけるsin59°。だから……槙」

「だからなんで振るんだ。さすがに分かんねぇよ。ちょっと待て今電卓出すから」

「sin cos tanのできる電卓…良いなぁ」

「ていうか今持ってるんだ」


 槙の持ち物っていったいどうなってるんだろう。今度槙の鞄ひっくり返してみようかな。


「sin56°分の40かけるsin59°……41.36だ」

「だって。つまりACの長さは約41.4メートル」

「なるほど」

「余弦定理は?」

「二辺と一角が分かってる時に使うのさ」

「へぇ」

「他のは?その…級数とか、微分積分とか」

「それは知らないよ。ボクだって高1だからね」

「そりゃそうだ」


 槙じゃあるまいし。


「いや俺も知らないから」

「読心!?」

「ところで、樂はこの調子なら数学大丈夫そうだけど 槙は英語良いのかな?」

「お願いします柚さん」

「槙が頭下げた!?」

「槙だって人間のはずだからね。頭くらい下げるだろう」

「はずって何だよ」

「どこから分からない?」

「全部」

「槙大丈夫?」

「……ふふ…なんか気が遠くなってきたよ」


 あ、なんか柚がどこか遠くを見てる。槙の英語スキルの低さが原因だな。


「じゃあ槙、英単語の書き取りからね。意味と発音を確認しながら」

「うわめんどくせっ」

「さすがにボクもそこはカバーできない」



槙君の学力が教科によって偏りが激しい気がします…

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