20.やや蚊帳の外
槙君は弄られキャラに近い。
視点 愀
「槙っ…まさか君、柚までそんな目で…!」
「心外だよ槙。よもや私のことをそういう目で見ていたなんて」
「もう反論面倒臭いんだけど」
「でもまぁ…槙が正しい道に戻ってくれただけで僕は」
「そうだね。少し前、槙は男色な感じだったらしいじゃないか。対象が私とはいえ…良い事だよ」
…放課後。某スーパー。フードコート…。
…三人で屯していたら何故か、いつの間にか天城が参戦していた。
…分からない。色々分からない。最早樂の脳内の謎さ加減を超越している。
いつからここにいた…?どこから椅子持ってきた(元々椅子は三つだったはず)…?何故違和感なく会話に参加している…?
…分からない。本当に分からない。槙の性癖よりも分からない。
「でもね槙」
「…なんとなく予想できるが一応聞いてやろう」
「私は君をそういう目で見る事はできないんだ。長い間、近くに居すぎたのかもしれないね。だから――」
「完璧に予想通りだよ!一言半句違わなかったわ!」
「でも槙、それが予想できたならなんで」
「それだけ柚に対する想いが強かったって事?」
「槙…ごめん、その気持ちに私は答えられない… 」
「誰か助けてくれ」
…二人で槙を弄り倒して遊んでいる。面白いからもう少し見ていよう。しかし本当に分からない。
「悪いけど槙、僕達にはその想いから君を救い出す事はできないよ」
「そうだよ…当事者の私が言うのもアレだけど、私達には君の想いを……」
「その気持ちとは、槙自身が向き合って、その上でどうするかを考えていくべきだと思うよ」
「なんかムカつくなコイツら」
…樂と槙、それと天城は古い仲だというのは理解した。槙が二人に遊ばれてて憐れだというのも。…助け船を出すつもりは無いが。
「ところで槙はどんな娘が好みなのかな?」
「話の飛躍加減が竜騎士レベルだよ!」
「僕も気になるな」
「…早く吐きな」
「突然の参加だな速水」
たまに話に参加しておく。その間も考える。
「ほらほら早く〜」
「さっさと言っちゃいなよ〜」
「うわうぜぇ」
「どんな娘が好きなのさ?男の子?女の子?」
「大前提がおかしい」
「具体的に!クラスのあの娘が好みだとか!」
「クラス男子しか居ないだろが」
「ヘイヘイ」
「ホイホイ」
「ヤイヤイ」
「イェイイェイ♪」
「ノリが混沌…!」
…気のせいかもしれないが…というより、むしろ気のせいであれば良いが…一人称の“私”にも若干の違和感を覚える。何故だろうか…。
「そうだな…まずこのテンションに付いてこれる奴じゃないと無理だな」
「槙テンション低いよね」
「外だからだ」
「屋内だよ?」
「家の外だからだ。お前らみたいに騒ぎ続けられる図太さは無いんだよ」
「確かに家だとテンション高いよね」
「今の私達より高くなるね」
…槙の家でのテンション、想像できない…。
「言い換えるなら、ボケとツッコミの切り替えが上手くできる奴かな」
「君はいつも嘆いてるもんねぇ」
「その苦労、よくわかるよ」
「だったらもう少しポジション代われ」
「「貴様になどツッコミがお似合いだわ!!」」
「ツッコミ放棄するぞこの野郎…」
…樂と天城がハモった事についてはノータッチの槙。何故だ。
「ふっ、何を馬鹿なことを」
「君はツッコミ放棄なんてできないだろう?」
「一緒になってボケ続ければできる」
「それが槙の最後の言葉だった…」
「おい」
「ふふっ、ほらツッコんだ」
「槙にツッコミ担当は無理だよ」
「…逆だ、逆」
「なんで俺らの周りにツッコミ担当は居ないんだっ…!」
…まぁ、いずれわかるだろう…。
槙「ツッコミ担当居ないけど両刀多いよな」
柚「私達三人ともそうじゃない?」




