190.異物混入
タイトルが思い付きませんねぇ……
視点 槙
午後9時過ぎ。自分の家。
特にする事もなく、居間で適当に暇を潰していた。某落ち物ゲーで。
マラソンのエンドレスで自己ベ目指しているんだが、前回のスコアが高すぎて気が滅入る。3000万ってなんだ。頑張り過ぎだろ。
それはさておき、今日も連中が泊まりに来ている。それは良いが、今全員バラバラの事をしている。樂は俺の部屋で狩り、柚は風呂、俺は前述。来た意味はなんだ。特に樂、お前狩り手伝って欲しかったんじゃなかったのか。何ひとりで狩り始めてんだ。来た意味はなんだ。
……あいつらは“寝るときに寒いから”とか言ってたな。だからって人んち来るか?湯たんぽでも布団に放り込めば良いだろ。
来たって別に良いけどな。親も普通に許可してるし。飯は各自家で食ってるし。布団ないけど!
………………。
……まぁ、別に来ても良いんだけどよ……。
……。
なんか飽きてきたな。まだスコア460万だし。そろそろ中断しよう。
ていうかなんか左目がかゆい。少し異物感があると言――うわ痛っ!待て待て待てはいはいタンマタンマ。OK、ゲームはスリープした。問題は目だ。この唐突な異物感はなんだ。やめてくれ。
ううむ。痛い。とりあえず左目を手でおさえて洗面所行こう。そして洗おう。
はい決定。ゲーム機置いて立ち上がる。少し早足で行こう。めっちゃ目痛い。
ものの数秒で到着する。だってそんなに離れてないから。洗面所のドアはすぐそこだ。開けたら目の前にある鏡を開けて中にある棚から目を洗うための液体を取り出す。完璧だ。
ドアなぞ引けば開く。いざ!
そぉい!!
――ドアをあければ目の前に鏡があるはず。
しかし俺が見たのは少し湿った質感の長い髪と尻。
「すまん」
一言謝ってからドアを閉めた。
「謝るんだったら、開ける前にノックしたらどうかな?」
「ちょっと切羽詰まってた」
洗面所には風呂から上がった柚がいた。まだ身体を拭いてる途中だったようだ。
「急ぎの用事なの? 済ませるなら済ませなよ」
「お前さんが服着てからな」
「ボクは別に気にしないけど」
「一応気にした方が良いんじゃないか?」
「今更すぎる」
「それはそうだがな」
そろそろ気にした方が良いだろう。さすがに。
「昔は三人で一緒に風呂も入ってたじゃないか」
「そうだな」
「なら問題ないよ」
「そうかなぁ」
「いつから一緒に入らなくなったんだろうね?」
「さぁ……。成長で手狭になってきた中二くらいからじゃね」
「なら問題ないよ」
まぁ柚が気にしないって言うなら良いんだけどな。たふん本当に気にしないだろうし。ていうか目痛い。
「そういえば槙、左目を手で隠してたね。今頃になって厨二病発症かな?」
「アホな事言ってんじゃねーよ」
「一緒に入らなくなった時期が遅れて来たんだね」
「落ち着けよ」
「ボクはいつでも冷静だよマイハニー」
「いや今絶対テンション上がってるだろ」
「ふふふ」
ダメだ、何言っても効果ないテンションだ。こっちのテンションがついていけないとどうしようもなくなるパターンだよ。適当にあしらおう。目痛い。
「ん、入っていいよ」
「服着たか?」
「最低限はね」
目も痛いのでさっさと入る。柚は下着姿で髪を乾かしていた。本当に最低限だなオイ。
シミュレートしていた通りに目を洗う。んー、しみる。
「目にゴミでも入ったの?」
「そ」
「まつ毛長いのに?」
「ほぼ関係ないな」
「ダメじゃないか」
「まつ毛の役割とはなんだったのか……」
まつ毛は長くても防御力は上がったりしない。小さい塵なんかは普通に透過してくる。
容器を目から離し、中の薬液を見るとまつ毛が二本浮いていた。原因はお前らか……!
「まつ毛でも入ってた?」
「まさに」
「痛いよねアレ」
「まつ毛の役割とはなんだったのか」
そんな会話をしていると、二階からトテトテと誰かが降りてくる音が聞こえた。樂だろうな。
躊躇なくドアを開けて入ってくる。やっぱり樂だ。
「ねえ槙、クエスト手伝って!」
「樂それ昼にも聞いたし」
「そういえば言った気がする」
「ふふ、樂は忘れんぼうだね」
「「柚は早く服着な」よ」
ハモった。思う事は同じか。
何はともあれ、目は洗えたからそれで良い。
「服着たら柚も手伝って!」
「構わないよ」
「よし!じゃ、待ってるね!」
「今日は槍でも使うか」
「よーしボク ボコスカッシュ頼んじゃうぞー」
「150円引きじゃねえし」




