1.花粉舞い散る入学式
初 連載開始です。
短編もよろしくお願いします。
一時はどうなるかと思っていたが、あれから何事も無く足の怪我も治り…
え?誰だよだって?いやいや、ご冗談を…僕だよ。樂だよ。
もっと分からんって…何故だ。初対面じゃ無いはずなのに。いや、初対面なのか?
ええと…自己紹介。
僕は大鷺 樂。工業高校に通うごく普通の高校生だ。この前何故か足の親指が抉れて大変な事になっていた。前述の通りもう治っているので全く問題ない。
足の怪我については短編を見れば詳しく……あれ、僕は何を言っているんだ?
工業高校に通う、とは言ったが、実際に登校するのは今日が初めてである。サクッと言ってしまえば入学生である。
通っている高校は 公立木蓮工業高等学校。この辺りで最も有名だと思われる工業高校である。倍率も妙に高かった。偏差値は…たぶん平均だと思われる。何せ僕が受かったぐらいなのだから。中学時代の友達も受かっていた。これで色々な心配事が緩和される。知らない人ばかりの場所に放り込まれるのは嫌だ。三年間 友達ができない自信がある。
ちなみにこの学校の略称は“木工”である。木材で何か作るんか。
「あ、居た居た。おーい樂ーー!」
友人の参上のようだ。
「槙。チャリの並走は違反だよ」
「えっと……すいません」
今、自転車で走っている僕の隣に来たコイツは件の友達。
神和 槙。中学の時に皆ヘルメットをかぶっていなかった中、律儀にずっとかぶっていた。でも提出物なんかはほとんど出していなかった。やっていることが微妙に意味不明な男である。
いつだったか理由を聞いたら 順に「色んな意味での保身のため」「いや…なんかだんだん面倒に…」と言っていた。面倒で済ますなよ。
人格を一言でまとめるなら“変人”だろう。
「樂…お前今凄い失礼な事考えてないか?」
「一般にはこの事を事実と言う」
「否定になってねぇよ!」
「否定して無いよ」
「てめえ!」
気心の知れた良い奴である。僕の周りでコイツみたいなボケとツッコミの両刀使いは珍しい。というか居ない。
という訳で気兼ね無くボケにまわる。
「いやぁ、いよいよ今日から高校生活の始まりだな」
「いや、僕は今日一日家で寝てる」
「じゃあ今ここに居るお前は何!?青い猫型ロボットの道具のコピーロ〇ットか!?」
「そうだよ」
「それなら何か?お前の鼻押したら解除されるのか!?」
「君は馬鹿か?今の科学力でそんな物作れる訳が無いだろう?」
「待て!お前さっきそうだよって言ったじゃねーか!!」
「僕がそんなこと言うはずが無い。もし僕がそう言ったと言い張るなら僕が言ったと言うことを万人が納得できるように言ってくれれば僕が言ったと言うことを認めよう」
「くどい!そして微妙にややこしい!」
コイツはいじって遊ぶと本当に楽しい。なんと言うか…最高の暇潰し?
僕はそういったやり取りをしていないと死んでしまう病だからな。ある意味仕方ない。
そんな会話をしているうちに学校に到着。
そして放課後。
え?飛ばし過ぎだ?いいじゃないか、ただ だs…ゴホン。始業式なんて面倒で退屈で暇で面倒で面倒な時間を事細かに描写するなんて面倒で退屈で暇で面倒で面倒なことをしたく無い。自分で言ってなんだが事細かに描写するのは面倒ではあるが退屈でも暇でもないと思う。ただひたすらに面倒だ。という訳ですっ飛ばす。HRとか自由時間も飛ばした気がするが気のせいだろう。そもそも今日は半日なのでそこまで大差は無い。
「早速友達できて良かったな。さすがにずっと二人で一年はなんとなく寂しいな」
「そうだね」
「ところでアイツ名前なんつったっけ」
「君はいっぺん殴られろ」
コイツは何故か人の名前を覚えない。そんなことじゃ社会に出てからやっていけないんじゃないのかと、僕は思う。
僕も記憶力は良くはないがさすがにここまで酷くない。
何せコイツは二年間共に過ごしたクラスメイトの名前を覚えきっていない。本当に心配だ。
「殴ら…いや、確かに記憶力が無いのは認める。だが殴られるほどじゃ無いと思うぞ?」
「君の記憶力の無さは皆からボコされなければ治らないと思う。だから殴らせろ。意味も無く」
「俺リンチされんの!?お前も殴ってくんの!?意味も無く!?さすがにひでぇ!」
何か隣で喚いているがスルーしよう。
さて、明日から高校生活の始まりだ。僕は期待に胸を膨らませながら帰路についた。
…ところで、僕は今日 一体何に向かって説明していたのだろう?
「俺の意見は無視かよ!?」
そうだよ。
更新頻度はまちまちだと思います。
毎日できたら良いなぁ