道化師―ピエロ―
みんなの前で、ニコニコ、ヘラヘラ…
ずっとそんなことをしてきた。
みんなに合わせたいから、ひとりぼっちになりたくないから…
でも最近は、寝ても疲れが抜けなくて余計に疲れてる気がする…
精神的にも参ってきているのに、みんなに心配をかけたくないから…
いつか父親が「いつも笑顔でいろ。笑顔で入ればお前のことを好んでいる人には、同じように笑顔が。お前のことを嫌っている人には、悲しみの表情が見れなくて悔しがるだろう。」そんなことを言っていた。
私はなるべく、父親の言っていたことをしていた。
そしたらいつからか、人に合わせているように見えるようになってしまった。
自分の中では、全くそんな気がないと言えば嘘になる。
でも、どこかでもう面倒になっていた。
自分を表に出すことを。
人に合わせて相づちを打つことのほうが、ずっと楽だった。
心は常に、土砂降りの雨なのに…
そんなことを忘れて、素を見失って、狂った。
何もかもどうでもよくなって、何度も自分で命を絶とうとした。
でも何故かその度に、いつも一緒にバカやっていた親友や迷惑ばかりかけていた頭のいい友達。
そして、部長。
そんなみんなの笑顔がよみがえる。
その度に、自分は泣いてどんどん弱くなった。
強くならなければいけないのに…
成長しなければいけないのに…
こんな自分を殺してしまいたくなる時もある。
だけどそれが出来ないから、今日も私は自分を偽り、人の目を騙す。
何故なら私は道化師だから。