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授業
ひそひそと教室のあちこちから声が聞こえる。
私を見ながら笑ってる。
うるさいな。
みんなと違うことは、いけないことですか。
それなら、あなたの周りの人はどうなるのですか。
みんな違うじゃないですか。
いろんなところで何人か固まって陰口を言っている。
どうせ私のこと。
知らないと思っていますか。
みんなと同じじゃないと、いけないのですか。
それなら、多くの人はどうなるのですか。
あなたと変わらないじゃないですか。
異端がいたらダメですか。
そんなにあなたに近い人間じゃないと、気がすまないのですか。
どうしたら気がすみますか。
私が消えればですか。
ここにたどり着くまで、どれだけ傷付いてきたのか。
どうせ想像できないでしょうけれど。
それでもあなたは、何度も立ち上がってきた人を。
どんな困難にも立ち向かってきた人を。
また絶望に突き落とすのですか。
やっと掴みかけてた希望を。
また奪うのですか。
また…
そんなことを考えていたら、手のひらに爪を食い込ませてしまっていた。
どうせ反応しなければ、相手は調子に乗らない。
私が我慢すればいいのだ。
授業の間だけでも。




