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てふてふ
ひらひらと空を舞い踊る一匹の蝶。
桜吹雪に紛れて、姿が見えなくなってしまった。
振り向くと、一人の少女が立っていた。
その少女が駆け出したから、僕はその後を追った。
あっちに行ったり、こっちに行ったり。
蝶のような少女だった。
僕が目を覚ますと、それは全て夢になった。
一体、どんな夢だったのだろうか。
今では、もう思い出すことが出来なくなっていた。
窓を開いて外を眺めていると、一匹の蝶が通り過ぎていった。
その後を追いかけるように、一人の少女が出てきた。
少女は僕を見ると、笑ってまた駆け出していった。
それが、僕の初恋でした。




