「矛」VS「盾」=Draw
誰しも、おそらく一度は聞いたことのある話し。
「矛盾」の話し。
昔、ある街に一人の武器商人がいました。
お客に武器を売るときに、商人はこう言うのでした。
「この矛は、どんなものでも貫く矛だ。そしてこの盾は、どんなものでも貫けない盾だ。この二つを持っていれば、貴方は無敵です。」
そこにいた一人のお客が、商人にこう提案したのでした。
「ならば、その二つを互いに闘わせよう。」
それを聞いた商人は、黙り込んでしまいました。
今のままでは、商人は嘘つきです。
もし、このことを本当だと証明しろと言われても、本来なら無理です。
ですが、白でも黒でもない灰色ならば、どうでしょうか。
もし、両方を闘わせたとします。
普通なら、片方が嘘です。
しかし、こう考えたらどうでしょう。
「この矛は、どんなものでも貫く。」
ならば。
「この矛は、どんなものでも刺すことができる。」
と考えます。
「この盾は、どんなものでも貫けない。」
ならば。
「この盾は、どんなものでも貫通することができない。」
と考えます。
そして互いに闘わせたとすると、次のようになると思います。
「矛は盾に刺さるが貫通はしない。」
という答えになります。
そうすれば、商人は嘘つきでは無くなります。
そしてこの話も、めでたしめでたし。




