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6.経験者vs初心者


第二ターン(アピナ)

バイタル20

手札6 EC 0

盤面

(ユニット)魔素標べの盲目兵 1



「ドロー!私はデッキから一枚、手札から三枚チャージし、ECを二つ使って『ギルドのホログラムターゲット』をプレイしますわ!」


二ターン目からのアピナは、言葉通り遠慮が無くなったのか、手際よくカードを操作してユニットをプレイする。


出てきたのは、先ほどギルド内で見たホログラムを人型にしたもので、様々な動きをしてやたらと落ち着きがない。


「そして、ECを一つ使って[交差する予言]を発動、デッキの一番上を見て……ふむ、これをデッキの底に置いてカードを一枚引きますわ」


デッキの一番上を確認したアピナがそれをデッキの一番下に置き、その後カードを一枚引いてリゼリアを見る。


「貴方……先ほどの動きを見る限り、どうやらバーンスキルを多用したデッキを組んだみたいですわね。といっても、そのビギナーズデッキは元々バーンカードが多めに入っているのですが」


「バーン?」


「プレイヤーに戦闘以外のダメージを与える効果のことですわ、ですので……これからはそれの対策をさせて貰いますわ」


そう言いながら、アピナがリゼリアを指差す、その動きに反応して盲目兵が槍を構えた。


「ではバトルフェイズ、この『魔素標べの盲目兵』は本来【停滞】を持っています」


「停滞?」


「バトルフェイズに攻撃を仕掛けられないキーワード能力ですわ、でも……もう一つの効果である『あなたがこのターンにスキルをプレイしていたら、このターン魔素標べの盲目兵は停滞を失う。』のおかげで攻撃が出来ますの、では……攻撃」


盲目兵が槍を構えて突撃する、リゼリアは避けることは出来ず直撃を喰らった。


「あぐっ!?いたた……」


「大丈夫か?」


「うんなんとか、別に傷とかはつかないんだね」


「それじゃあ競技になりませんもの、でも攻撃の余波で吹っ飛んで地面や壁に激突するかもしれませんからお気をつけあそばせ」


そう言ってクスクスと笑うアピナ、普通の怪我より危険では?とリゼリアは思ったが、誰もつっこまないので彼女は黙っていることにした。


「ではここでターン終了、これは私が有利ですわね」


「ぬかしてる……!私のターン!」



第二ターン(リゼリア)

バイタル27

手札2 EC 0

盤面

無し



「カードを引くことをドローといい、最初以外はドローフェイズで一枚引きますわ、引く時は必ずドローと宣言しなさい」


「ド、ドロー!私はデッキから一枚チャージし、そのECを使って[尋問用雷撃]を発動!」


「なるほど、やはりそう来ますか……ならば、『ギルドのホログラムターゲット』の効果発動!対象をこのユニットに移させて貰いますわ!」


リゼリアのテーブルから放たれた電撃がターゲットの方へと飛んでいく、するとアピナが手札からカード抜いた。


「そして、RECを一つ使い[防犯用バネトラップ]を発動!『ギルドのホログラムターゲット』を手札に戻しますわ!」


青い光に包まれ、電撃が当たる直前でホログラムが消える。


「対象を選んで発動したカードは、その後に対象が消えると不発になりますの、残念でしたわね」


「……でも、発動したことにはなるんでしょ?」


「そうですわね、カードは墓地に置かれ、ECもグロウゾーンに置かれますし」


「分かったありがとう、それじゃあ……私はRECを二つ使い再び[焼けた投擲球]を発動!」


「なんですって!?」


鉄球とスリングが現れ、今度はアピナがそれを受ける。


「ぐうっ!?最初の[尋問用雷撃]は囮だったということですか!私がスキルをカウンターで使うことを想定してRECで2コストのスキルを重ねるために……!」


「そ、あんなわけわかんないの出されたらそりゃ警戒するからね、あんたがやりたいことやったあとに攻撃するつもりだったの」


再び5点のダメージを受けて吹っ飛んだアピナが、ふらふらと立ち上がりリゼリアを睨む、そんな彼女にリゼリアが悠々とした態度で説明を始めた。


「さーて、これで私のターンは終わり、次はあんたのターンだよ」



第三ターン(アピナ)

バイタル15

手札3 EC 1

盤面

魔素標べの盲目兵 1



「お見事です……まさかアルカネラのアすら知らなかった貴方が、ここまで戦略を練れるなんて思っても見ませんでした……」


力なく天を仰ぎ、そしてリゼリアを見据えるアピナ、そこには先ほどまでの経験者の傲慢さはなかった。


「私のターン、ドロー……このようなことができる方は初心者とは思いません、今から最大級の敬意を持って……貴方を全力でぐちゃぐちゃにして差し上げますわ!!」


笑っているのか、怒っているのか分からない様な苛烈な形相でアピナが叫んだ。

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