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6ワン レジェンドブードキャンプへようこそ

「それではトマト、あの子達連れて行くね。一瞬で一人前どころか、この世界で最強にしてあげる。」


 そう言うとレジェはいつも通りに亜空間を開いた。


「ちょっと怪しいかもしれないがこの中に入ってね。カボ、パプリには私の秘密基地にて基礎の訓練を始めます。今日はご飯を食べて明日から始めましょう。」


「げっ、師匠空中に亀裂が入ってるけど入って大丈夫なのか?」


 カボビビりすぎ。


 この亜空間の中には自分が建築した自分の家がある。


 この中では誰からもレジェ達の監視、そしてステータス等に干渉出来ない。


 特殊空間(スキル)私の秘密の部屋(マイルームマイホーム)


 ここの中ではまたこの世界に亜空間から出てこない限り、神々からの封印も解ける。


 せっかくの修練の為に良い封印だとは思ったが、まあ今回はしょうがない。


 カボとパプリの修行が済んだら、封印されたままモンスター達の最大レベルの場所に行き、体に封印の負荷をかけたまま自分の強化に励まさせていただこう。


 それか、神の所まで行って報酬貰うのもいいかもしれない。


「カボ、全然危険性はないわ。トレーニングルームからちょっとした訓練所までついて、時間経過もこの中に入ってしまえば止まるからトマトからすれば一瞬で入って、出てくるように見えるでしょう。みんな入ったら空間を閉めるから早くみんな中に入ってくれるかしら。」


 そう言うと皆を亜空間へ押し込み入口を閉じた。


 亜空間内、暗闇の中に不自然なライトが立ち並び、その中央には巨大な建築物。


 その建物のダイニングに、やってまいりました。


「今回よりこの建物内で訓練を行うわ。ご飯は栄養を考えて…プロテインバーと飲料とビッグバードのササミ、さっきキョジャの村で山程買ってきたブロッコリーに、頭に良いDHAのサプリメントでバッチグーよ!」


 そそくさと亜空間から食材を取り出し晩飯の準備をしていると


「なんですかそれは?不味そうですね。」


 パプリが不安がって顔を曇らせている。


「味は…まあ不味くはないし、美味くはない。ただ筋力をつけるにはこれが一番。週一で好きな物食べさせて上げるから、我慢するように。」


「うぇ〜っ、がんばります。」


 パプリも覚悟を決めたようだった。


 プロテイン飲料片手にプロテインバーをすでに食べ飲み込むカボ…


「なにがまずいだよパプリ!これうまいっすねぇー。師匠先にいただいてます。

 自分等の所では野菜が多かったから、こんな不思議な食べ物や肉なんかは口に入ったことなかったっス。肉もさっぱりとして美味いっス。」


 カボの愚か者め!これが続くと自分の故郷の料理が恋しくなってくると言うのに、ぐはははは…と心の中でそれを体験したことのあるレジェが悪魔の面でほくそ笑む。


「基礎体力がつくまではずっとこれだから、師匠食べ物飽きませんか?」


 パプリめ、中々先を読むことに長けた恐ろしい子ッ。


「飽きないようにプロテインバー、ドリンクには色々な味があるし、ササミ、ブロッコリーにはかけるドレッシングに種類があるにはある…だけど飽きる、パプリ正解よ…。

 なるべく飽きない様に工夫して食べていくことを考えなさい。」


「こんなにうまいのに?飽きないっての」


 カボ…継続させるのには努力が必要なの。


 この時間の経たない空間で数ヶ月トレーニングを続けていけば飽きは来る。


 今日はその初日だとして、何ヶ月で基礎を作れるかしら?


 もちろんタマとコボルもササミである。


 そして全員のトレーニングを始める前に


「みんな注目、カボ、パプリ、タマ、コボルを鍛えるにあたって、少し問題があります。なんでしょう?」


「わん!ニャー!(言葉が通じないのにどうやって訓練すんの?)」


「タマ、コボル正解っ言ってもカボとパプリには聞こえないと思うので、今からタマとコボルには通訳翻訳魔法(インプリション)をかけるわ。

 ちなみに私は自分自身にかけているから、どんな世界に行こうがタマとコボルが喋ろうが全て翻訳と通訳を自動的にしているって話な訳よ」


「師匠って無茶苦茶な方だったんですね。タマちゃんとコボルちゃんとお話したいのでその魔法かけてみてください。」


 パプリが興味津々だ。


「もしかしたら別世界で修行もあるから、みんなにかけておくことにするわ!はあーっ通訳翻訳魔法(インプリション)


 これで、かかったはず。


「だからレジェは僕の言葉がわかっていたのかワン。」


「プライバシーの侵害ニャー」


 タマとコボルの口から声が聞こえる。


「聞こえるぜ!師匠。この魔獣?聖獣?は強いのかい?」


「今は強くない。それとコボルが芝犬、タマが八ワレ猫と言う名らしい。私の住む世界には存在しないらしい。

 ただ私に取って大事な家族だ。だから、聖獣とか魔獣とか関係ないし興味ない。コボルはコボル。タマはタマなんだ。」


「ずっと思ってたんですが、狼類やコボルトや猫族と良く似てますね。もしかしたら進化過程で私達の世界にはいないのかもしれませんね。」


 パプリ、中々洞察力のある娘だな。


「犬、猫の住む世界線は結構あるが、存在しない世界線も多くある。私の世界ではパプリの言うように進化する過程で淘汰されたのかもしれないね。」


「「進化は却下で、もう元の世界のお家に帰るワン(にゃん)」」


「それこそ却下の修行は続行だ。自分とパプリはまだ全然強者(つわもの)の域に達していないし。」


「まずは食べて寝る。明日に備える。カボ、今日は好きなだけ食べて良いから明日から基礎トレーニングよ。」


「明日から僕たちも修行するワン?」


 コボルも、不安そうな顔で見つめてくる。


「安心してコボル、タマ。あなた達の修行もカボ達の修行もまずは基本からだからそんなに辛くない…はず。だから今日は早寝早起きよ。一人一部屋使って構わないわ。一部屋ごとに風呂とか色々あるけど自由に使っていいからね。」


「お風呂が付いてるんですか?凄い屋敷ですね。

 一人一部屋なんて師匠って本当に無茶苦茶ですね。」


 パプリ…無茶苦茶扱いにも限度って物が…私にはなかったか。


「よし、私は真ん中の部屋を使うからあなた達は私の左右の部屋を使いなさい。使い方のわからない物があったら私に聞いてくれればOK!

 そうらコボル、タマ。ご飯を食べたら君達の嫌いな歯ブラシの時間だ。今日も覚悟するのだぞ。」


「いやニャー!あんなことするレジェは鬼ニャー」


「僕はそこまで気にはならないワン」


「カボ、パプリあなた達も歯磨きはきっちりするのよ。

 歯医者がない世界線も多いから、むし歯から病気が起こったりすることもあるんだから、歯は大事にね。」


「「はいわかりました!師匠!」」


 二人揃っていい返事だ。


 その後皆の食事の片付けが済んだレジェは二匹を引き連れ自分の部屋へと帰って行くのであった。



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