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3ワン レジェ·オールラウンドと言う女の話 家族が増えるよやったねレジェちゃん

これはタマとコボルが家の子になる前のお話


★★★★★


「ウォー!異世界千里眼っ」


 そう言いながら別世界を除き見するのは御行儀の悪いレジェ。


 異世界を千里眼で観察することにより、冒険先を決めているのだ。


「ん!この世界はいかん。即刻懲らしめてやらなければ。ふんぬばらッ!」


 そう気合いを言うと指先に魔力を込め、異世界へと空間を割く。


「まてい!私の前では生贄なぞ野蛮なことはさせぬぞ!こんちくしょうめ。」


 今まさに生贄に神官が刃を付き立てる直前であった。


「生贄を捧げなければ神の怒りで災いが…」


「だまれ!アホンダラ。生贄を差し出した見返りを神官てめぇの力にしているじゃねぇか。生贄なんざしなくても災いなんて起きやしないんだよ!ダラズが!私は他力本願が大っ嫌いなんだ。」


 …本当か…今までの生贄は…私の娘は… 皆がざわつく。


「こいつの言うことは嘘だ。神官の私に間違いはない。今からこの儀式を穢した報いとして、今回はこの娘ではなくこいつを生贄とし神に許しを得ようと考える。良きかな?」


 …娘が助かるなら…流石神官様……神官様に間違いはないはず ヤジが飛ぶ。


「そんじゃ、5流神官さん、カモーン!かかっておいで。てめぇが他人の力、生贄で得た力なんざ私が正面からボッコボコにしてオメェ自身を生贄にして今までの報いを受けさせてやる。神様あんたもそれで良いか?」


 レジェが空を睨みつける。


 割れた空から声がする。


「すみません、私も本当は生贄なんていらなかったんです、そいつが無理やりやるもんだから…」


「うっさいんじゃ!バカゴッド!本当は神としての神格を少しでも上げたくて欲出たんだろ?見返りが全員に平等にあるようなら私もカチコミかけてないよ。問題は雑魚神官にだけいってること、他の連中に本当のこと伝えていないことそれが問題よ。あんまり舐めてると神だろうと消滅させちまうぞ!ゴラァ!」


 レジェが空間から3メートル程の大剣を取り出す。


「これは私が作った神殺しの大剣、冗談抜きでどんなもんか見せてやる。かかってこい神官、一瞬で生贄にかえてやる。」


 コケにされてプルプルと腕に力を込め怒り心頭な神官がレジェに何かを叫び突っ込んで行く。


 が届くことはなく突っ込む最中粉々に砕け散りそのまま生贄となった。


「よし、それじゃこの神官の濃縮された魂を見返りにこの国の将来を約束したまえ。」


 神は渋々「あいわかった」としか言いようが無かった。


 断ればさっきの大剣で消滅させられてしまう。


 …これで今までの生贄が報われる…ありがとう旅の人… さっきとは打って変わって賛辞が飛び交う。


「後は私の迷惑料!私の家族になる者が欲しいわ。」


 神は顔が引きつった。


 流石にさっきの願いで神の力(MP)も切れてしまった。


「すみません、先程の願いで力が足りないので何か捧げていただけないでしょうか。」


 神も恐る恐るお願いしてみる。


 レジェからでた言葉は素っ気なく簡単だった


「そんな簡単なこと?良いよ。まずは邪竜ティアマット、破壊する者の残骸、ええいこれは迷うが取るのに苦労したブラッディダイアモンド、ライフエメラルド、ボーンアンバー、邪神ババールに邪神ジジーロ、こんなとこでどうかな?」


 亜空間から取り出された生贄と言うか捧げ物の質と量に神はビビっていた。


 でもやるしかない。


「今から家族になりそうな者の召喚術を行う。だがあなたに合うレベルとなると中々難しい所がある。何が召喚されても怒らないでね。最初に言っておきます。すみませんでした。では行くぞ!ハーッ!」


神はそう呟くと全力で力をこめるのであった。




 真夏の昼、八ワレの柄の子猫は電柱の横で静かに死にかけていた。


 親猫は昨日から見ていない。


 体にはアリがたかり遠くからカラスが自分の死を狙っているかの様だった。


 水が欲しい、だが体が動かない。


 徐々に意識が失われ、光に包まれ目が覚めるとそこには今まで見たことのない景色、もう死ぬのかと息が荒くなってきた。


「この子やばいわ。死にかけてる。とりあえずエリクサー。」


 女が与えてくれた欲しがっていた水分が喉を潤す。


 猫は生き返った気分、否生き返った。


「これはあなたの世界にはもういない、異世界で猫と呼ばれる生物です。すみませんでした。やはりあなたに見合う家族(彼氏)は難しかったです。」


 神が平謝りだ。


「いや、とても良いわよ。家族ってさ、人間だけじゃないと思うの、動物でも家族。私がお母さんよ猫さん。」


 猫と呼ばれる獣人族を小さくした様な動物がレジェにすりよる。


「か…かわいい。とりあえず猫と呼ばれる生物の基本的な名前はどんなの?」


「とりあえず、タマとか、八ワレだったらハチ、オスだったらタロウとかまあ自分の好みでこれだってのを付ければ良いと思いますよ。」


「よし、玉みたいにまんまるだからタマで良いと思うわ。今回はまだ生贄や捧げ物が少なかった。また次回ここに来るとき一杯持ってくるから、国民の幸せとまた同じく家族が欲しいと言う願いをお願いすると思うがよろしいかしら?」


「わかりました。捧げ物が溜まり次第またこの世界に来ていただければ幸いです。今回は本当にすみませんでした。」


「今後この馬鹿神官みたいなの輩出した場合は神あなた消すわよ。肝に銘じておきなさいよ。タマ一緒に帰って家族になりましょうね。」


「飼い方は私が生成した説明書を渡しておきますので何を与えてはいけないか、何が体にいいのかご確認下さい。」


 空から降ってくる説明書をキャッチしニヤけながらまた自分の世界へと帰って行くレジェであった。




 そこからタマを可愛がりながら素材集めの旅へと繰り出すレジェ。


 魔王ソルべの腕から全再生した魔王ソルべ(意識なし)、スターストーン、サンストーン、ムーンストーン、神竜ゴッドラゴンに、秘宝世界の秘宝78個、ついでに破壊する者の残骸、グレートミートの肉、セブンジュエル等etc、集めるのに2年かかったのであった。


 まずは前の国へ空間を繋げる。


 国は平和で皆ニコニコしている。


 病気や飢饉等は起きていないみたいだ。


 よかった、約束は守られているみたいだ。


 神を呼び寄せる。


「神よ!2年間待たせたな。用意は出来たわ。これでまずは国民の幸福、残りで私の家族よ。」


「お久しぶりです。国民の幸福は魔王ソルベで1000年保証出来ます。しかしレジェさんあなたの家族はあなたの基準で合わせると難しいんですよ。」


「良いからやってくださる?。結果には不満は言わないわ。それを運命として受け容れます。」




 一匹の柴犬が生まれつき心臓に病気を持って産まれてきた。


 明日をも保たぬその状況、安楽死も考えられていた。


 その時一筋の光が柴犬に降り注ぐ。


 次の瞬間、見慣れぬ女性の腕の中にいた。


「これが家族?だがやはり体に病気があるみたいだわ。エリクサーでも飲ませてと…」


 体が輝き体の病気が治った。


「でも家族ってこのコボルトかウルフが小さくなったみたいな動物じゃない。私は彼氏が欲しいのにやっぱり無理かしら?」


「彼氏となるといきなり彼氏となる本人が消えても問題ない人でレジェ様と同様なレベル。そんな釣り合いが取れる人間が偶然にいるとはおもえません。

 今回家族となったあなたの世界にはもういない柴犬と呼ばれる犬も血統書付きと言われる伝説レジェンダリーな生物。急にいなくなっても元の世界では他者の運命にさほど影響はないと思われる基準で選定され召喚されたと思います。」


 柴犬をコロコロ撫で回すレジェ。


 顔はニヤけすぎてとけている。


「いいわ!この子で大満足。2年の素材も納得出来る可愛さ。とてもいい家族になりそう。タマも一人っ子で寂しそうだったから家族増えれば少しは楽しくなるかもね。

 名前はコボルトみたいだからコボにしましょう。」


「コボは何かやばい空気がします。危険な匂いがプンプンします。コボの後のルまで入れてください。神様のお願いです。」


「ルをいれることに意味があるのかしら?まあいいわ、コボル私があなたのお母さんよ。一緒に楽しく生きていきましょうね。」


「レジェ様、犬用の飼い方説明書と、これは猫 犬用の餌となります。今後わざわざこの地に転移しなくても良いように召喚書をあなたに渡しておきますので、良い餌が欲しくなったら捧げ物を召喚書前に置いて私を呼んでいただければいつでも餌を提供いたします。我が名はドギール·シーヴァ神と申します。捧げ物が良い程ワンちゃん、ニャンちゃんの体に良い餌が生成されますのでそこの所御了承下さい。」


「まあ、捧げ物によるあなたの神格を上げるのと、この子達の健康を考える餌との交換。Win-Winな関係でまあ良しとしましょう。神格が上がると、もしかしたら私の家族(彼氏)も召喚出来るかもしれないしね。その時はよろしく頼むわ。」


 ぎくりとするシーヴァ神を横目にコボルを優しく左手で抱っこし右手に魔力を込め☓に空間を切り込みを入れると元の世界が開かれた。


「それではまた餌が必要な時は連絡するわ。さようなら。」


颯爽と元いた世界に戻ると、家に帰る。


「タマ、新しい家族よ。名前はコボル。」


「ワンッ」と一吠えすると「ニャッ」と返事を返してきた。


『あらあなたが新しい家族、私はタマ。よろしくね。』


『僕はコボル。さっきまで死にかけていたんだけど、急に治ってレジェさんに家族として迎い入れられたんだ。よろしくね』


「二匹とも仲良さそうで良かったわ。これからはみんなで仲良くね。」


そう言うと二匹を抱きしめるレジェであった。

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