1ワン 思い付きの始まりに
自分は飼い犬のコボル、柴犬である。
そして相方猫の八ワレ柄のタマ姉御である。
自分は12歳、相方は14歳中々の高齢だ。
そして一番忘れてはいけないのが飼い主のレジェである。
年齢不詳、世界から一目置かれる稀代の冒険家、稀代のわがまま娘等の、呼び名ががある困ったちゃんだ。
「コボ、タマ長生きしてくれよ。そうしなきゃ、私ゃは一人になっちゃうんだよ。」
餌は体に気遣った、自分にはドラゴンのむね肉とゴッドふかし芋等の長寿に確実に効く食糧、相方タマ姉御にはゴールデンマグロツナやシーヴァ神の猫フード等、自分達の為に命を省みず冒険で得た餌や贅の限りを尽くして得た餌を毎日与えてくれる。
レジェも若く見えるが、多分80歳はきっと越えている。
レジェも自分達と同じ様に自分の美容健康長寿には気を遣い生きていると一緒に住んでいて解る。
だがハードな毎日を送っているのも事実である。
「コボとタマは私と一生、生きるんだよ。仲良く一緒に生きていきたいなぁ…」
わがままが始まった。
嫌な予感しかしない。
「そうだ!良いこと考えた。コボル!タマ!存在進化して人間に近い種族に進化していくのよ!そうすれば一生一緒にいてくれれる最高の家族が出来るに違いない!」
『ニャー!クゥーン!(やめてくれー)』
自分と姉御の叫びが木霊するが聞く耳持たないこのわがまま娘。
姉御と自分もこのままワン生とニャン生を送り穏やかにスローライフを送りたいだけであったが、なんと言うわがまま。
まあ、自分と姉御は長く持って後10~20年が良い所だろう。
最近はいくら体に気遣った物食べてるとは言え、衰えは感じてきている。
それでも、今みたいにのんびり暮らすのが良いと思っている。
レジェも彼氏とか作って自分等に執着せず早く結婚せえっちゅうねんとか思っていると自分の瞳を見つめながらレジェが呟く。
「自分に釣り合う理想の男が見つかるまで私は結婚はしないからあなた達しかいないのよ!釣り合う男が現れるまでは私の美容不老長寿の冒険は続く。」
こいつ俺の心読んだのか?と思う発言であった。
「そうと決まればコボルとタマのレベリングね。ワクワクしてきたわ。後は進化素材と生け贄とやることはいっぱいあって考えるだけで楽しいわ。」
もう決定事項であるようだ。
姉御と自分は腹をくくるのであった。
「ほあたっ!!」
レジェは禁術 見抜く辞典を使った。
名前 コボル オス 12歳 レベル2
力 13
魔 3
体 9
速 18
寿命 48歳くらいまで
名前 タマ メス 14歳 レベル3
力 9
魔 12
体 9
速 13
寿命 49歳くらいまで
「こんな所ね。流石長寿食与えているだけで長生きはするみたいだけど、何があるかわからないから存在進化してなるべく寿命を上げていかなきゃ、私だけ置いてけぼり…置いてけぼりはイヤー!!」
『ニャー!ワン!(お前が何があるかわからない要因作ってる原因じゃねぇか!)』
思わず、突っ込みをいれる自分達であった。
しかし自分のステータスが浮かび上がっている。
へぇこんなに寿命上がってるなら、スローライフさせてくれ。
冒険して死んだら台無しじゃないか………
「そこは大丈夫。私があなた達を守るから」
レジェあなた、自分の心読んでるよね?昔からそんな節はあったけど。
ここから自分達の人間へと近づく冒険が始まるのであった。