<第5話> タマの異変! そして、
とりあえず今のうちに必要な物資の買出しに出かけることにした。
(異世界では食料とかどうなるか分からないからな。保存食とか多めにストックしとこ。)
自宅の玄関を出てガレージに向かい、車で出かけようとすると、頭の中でタマの声が急に騒ぎだした。
『フーッ! シャーッ!!』
「どうしたの? タマ?」
『怖いニャン。痛いニャン。怖いニャン。痛いニャン。怖いニャン。痛いニャン。怖いニャン。痛いニャン。怖いニャン。痛いニャン。……』
「え? タマ、どうしたの? 落ち着いて、大丈夫だから。」
『シャーッ! これは嫌ニャン。痛いヤツニャン。シャーッ!!』
「これ? 痛いヤツ? よくわからないけど、車が嫌だってこと?」
『嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。嫌ニャン。……』
「わ分かったから落ち着いて、今車から離れるからね。」
『フーッ! シャーッ!!』
(タマどうしちゃったんだ? 車が怖いってこと?)
とにかく車で出かけるのは中止にして、一旦自宅に戻ることに。
玄関に入り、車が見えないところまで戻ると、タマの騒ぎ声が静かになった。
「タマ大丈夫? どうしたの?」
『よく分からにゃいニャン。』
「え? よく分からないの?」
『よく分からにゃいニャン。』
(あれだけ騒いでいたのによくわからない? どういうこと?)
(記憶喪失? 何らかのトラウマ?)
(とにかく車が原因なのは間違いないし、このまま買い物に行ったら、間違いなく車を目にするだろうし……。)
「タマ、今日の買い物は止めておくよ、明日の状況次第でまた考えよう。」
『分かったニャン。』
結局その後は何もせず、というかタマのことが気になって何も手につかず、風呂に入って食事をとり、夕方には寝てしまった。
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