9話
どうにか、どうにか...
あっ!これいけるかも。
「心、急で悪いんだが...」
・・・。
「ほんとにやるの?」
「ああ、本気だ。」
「わ、わかった。」
「じゃあ、細かいことはまた後でここに呼んで決める。」
「うん。」
一緒に階段を降り、玄関から見送った。
「じゃあ、今日のところは解散ってことで急に呼んで悪かったな。次はゆっくり話そう。」
「うん、大丈夫だよ!また来るね」
とりあえず先生と相談するか。話すの苦手なんだよな。
また翌日。
「あの、叶 優衣先生はいますか?」
「ああ、私だがなんか用か?」
「あ、あの、部活の設立ってどうすればいいですか?」
「ああ、私に言えばいい。ただし、部員は4人いないとダメだぞ。」
「4人ですか...。3人じゃダメですか?」
「それは、ダメだ。次に来る時は4人集めてこい。そうしたら私も考える。」
「わ、かりました。」
やっぱり、職員室は苦手だな。
4人か。どうしよう。
教室に戻り心を呼ぶ。
「しーん!」
・・・シーン。
やべぇ、普段喋ってないやつが話すとこういう雰囲気になるんだ。やってしまった。
教室のドアの後ろにもたれかかり赤面を両手で覆った。
こっちに近づいてくる足音が聞こえず急に肩に手を置かれた。
「ひっ!」
「氷くん?」
さっき教室にいなかった心が俺に話しかけてきたのだ。
「あ、ああ、心。」
「えっ、大丈夫?な、何かあったの?」
「いや、なんでもないから」
「そうなの?わかった。」
「あ、それでさ昨日のことわなんだけど部活作るのに人数が足りない。」
「えっ?」
「俺と心の2人じゃダメなんだ。よにんいないと...。」
「そうだとは少し思ってたけど。」
「それならそうと昨日言ってくれよ!」
「え、...ごめんなさい。」
「あ、わりぃ。で、どうするか。」
「ゆまりさんに知られてはいけないんだよね...、でも部員募集するしかないんじゃないかな?僕たちのクラスにも部活に入ってない人だっているから。」
「そうか。まぁ、それもそうだな!声をかけるのか...」
「うん、頑張ろう!」
「はぁ、わかったよ。」
無我夢中に話していたのでドアの前に座っていることを忘れていた。
急いで立ち上がったが結構人に見られていた。
恥ずっ。心の腕を掴み早足で屋上に向かった。
ドアを開け、心の腕を離し真ん中辺りまで走ると座り込んだ。
「急にどうしたの?」
「あ、いや取り敢えず明日から教室で部活入っていない子に話しかけようか。」
「あ、うん。」
それからというものお手製のチラシを渡しながら話しかけては断られ話しかけては断られの繰り返しだった。
以前2人のまま、ことは動かなかった。
そんな時。
「あのっ、さ、部活ってどういう感じなの?」
後ろから子奈に呼びかけられた。
「あ、えっと、こういう感じなんだけど。」
「あ、ありがとう。」
「あ、えっと子奈?」
お礼を言いすぐに走っていってしまった。
なんだったんだ?
※ここで子奈がゆまりにこのことを話す
その後も引き続き話しかけていった。
「ごめん、部活は。」
「部活はちょっと。」
「くそっ!」
「氷くん落ち着いて、きっと入ってくれる子が出てくるはずだから。」
「そうだよな...。」
「あの、氷くん?この部活入ってもいい、かな?」
心がトイレに行っている時に子奈に話しかけられた。
「あ、えっ、うん。入ってくれるの?...ありがとう!」
「あ、とね、これ」
そう言って渡されたのは真っ白な2つ折りにされている紙。これは手紙なのか?
直ぐに受け取ると開いた。
【私も入る】
差出人は不明だがこれで4人だ!
「俺ちょっと職員室行ってくる!」
「わ、わかった。」