最終話
俺も告白しないと子奈に。
もう三学期。
卒業までは約1年。絶対に想いを伝えたい。
今までいや、2年生になってから話す機会も増えたし昨日も…。
ボッと顔が赤くなるのを感じる。
あんな近くに子奈の顔が…。
「あー!!」
「うるさいぞ、氷」
今、学校だったの忘れてた。
横に立っている心が俺の事をニヤニヤしながら見ていた。
「うるさいのは謝るけどその顔なんだよ」
「いや、別に」
心はそのまま去っていく。
なんだよ、ほんと。
心もまだ心のままだ。
俺の問題だけだってちょっと違ったな。
放課後になり俺はどこで告白をしたらいいのかどう告白するのかをベッドの上で考えていた。
普通の告白ってなんだ。
アニメだと屋上?でもそこは部室だしな。
校舎裏?だと窓あるから見られる可能性がある。
教室?は人がいるだろ。
悩むこと3時間。
場所を決めた。
震える手で子奈にメッセージを打っていく。
"明日の放課後、屋上に来てくれますか?"
恥ずかしくなり文字を消す。
でも送らなきゃ。
"明日の放課後、屋上に来て"
くれますか?を打とうとした時ドアが開いてそのまま送ってしまった。
ドアの方を見ると海が仁王立ちで俺を睨んでいた。
「ど、どうした海?」
海は俺がいるベッドに近づきさらに顔をグッと近寄らせてきた。
「お兄ちゃん、さっきからご飯呼んでたのに」
「あ、ごめんね。今行くから」
海に引っ張られてそのままリビングでご飯を食べてお風呂を済ますと部屋に戻り携帯を見る。
携帯の表示には"うん、わかったよ"というメールが届いていた。
心臓が口から飛び出そうなくらい緊張をしてその日は全然眠れなかった。
「おはよう」
「お、お兄ちゃん、顔が」
「氷、ちゃんとご飯は食べてね」
色々準備して家を出る。
学校でも
「顔やばいな」
「そうだね」
と心と悠斗に言われその後の記憶はなくなっている。
「おい、氷!」
「起きてよ、氷くん」
誰かが俺を起こしてる?
「氷くん、起きて」
ん?しん?
「しん?」
「お、起きたな残念。俺はまだこころだ。だが、若干しんが戻ろうとしてるな」
「そうなのか」
「それより」
「それより屋上行かなくていいの?」
心が言いかけた所に悠斗が勢いよく遮る。
「えっ?なんでそれを」
「だって子奈ちゃんとのメール開いてたから…見ちゃったのはごめん。」
「そうだよ、ほんと俺何やってんだ。ありがとな心、悠斗。」
俺は急いで屋上に向かった。
ドアを勢いよく開けると目の前に子奈がいた。
「子、子奈!」
呼びかけると振り返りほっぺを膨らませた顔がこちらを向く。
「ごめん、子奈。話があるんだ」
「…うん」
「こんな俺だけど子奈のこと絶対に守り続けるから…だから、えっと、好きです!俺を彼氏にしてください。」
「…」
しばしの沈黙の後、子奈が口を開いた。
「こ、氷くん。私も、その、す、き。」
「ほ、ほんとに?」
子奈はコクリと頷くと後ろを向いてしまった。
でも、耳が赤くなっているのは隠せていない。
その姿を見て俺も顔を赤くした。
そんな時、屋上のドアがミシミシと音を立てていることに気づき、ドアを開けると雪崩のように心、悠斗、どこから聞きつけたのか秀、夕、コーラス部のみなさん、女装クラブのみなさんがいた。
よくこの人数が圧をかけて聞いてても耐えたな。
このドアすごい。
そ れ よ り!
「なんでいるんだよ!」
「えっと、僕は心くんに連れられてー」
「心!」
「あー、俺はなんか行かなきゃって…お、僕さ、色々考え込んじゃってそしたら数日間の記憶が無くなってて、僕何してたか覚えてないんだけど大丈夫だったかな?」
「おう!大丈夫だったぜ。後、言わなきゃいけないことがある。告白見られた後に言うのはなんだがな。」
「うん。えっ、告白!?」
「お前、二重人格なんだ。」
「えっ?えっ?それは本当のことなの?色々聞きたいことはあるけど、聞く。」
「ああ、お前は俺が助けた日に恐怖とかそういうのが遊んで紛らわせなかったらしい。その日から怖いと思う時や不安な時に別の人格が出てきていたらしい。」
「そ、その人は僕のもう1人?」
「そうだ。でも心は会えない。」
「僕はその人に会うことが出来ないんだね。氷くん、もしその人と会う時はありがとうって伝えてくれるかな?」
「おう!それくらいいいぜ!」
「ありがとう!後、告白って?」
「ああ、えっと」
そういえばこころの時に見られてたからしん自体は見てないのか。
「あー、と」
「氷くんが子奈さんに告白してたんだよあと、OKだった。」
「ちょ、秀」
「そ、そうなんだ。おめでとう!」
「秀、もう帰ろう。邪魔したら悪いし」
「あ、うん。じゃあねみんな」
夕に引っ張られて秀はドアから出ていく。
コーラス部のみなさんも女装クラブのみなさんもその2人について行く。
告白聞いてたくせに何も言わないのかと思いつつ。
解決部メンバーだけになる。
「2人はカップルになったね」
悠斗はみんなが居なくなってからそんなことを言う。
顔は少し涙を浮かべていた。
それは心も同じで
「ほんとにおめでとう!」
言葉ではしっかり祝ってくれてる。
ここにいるみんなが俺の事を好きで俺のモテ期?だったのかなって思うけど。
「ありがとう!心、悠斗!これからも解決部頑張ろうな!」
2人は頷いて屋上から出ていった。
2人きりになった空間で俺は子奈に近づいた。
さっきからこっちを見ようとはしない。
「子奈?」
「…私、氷くんと付き合えるのほんとに嬉しい。」
「俺もだよ。」
俺たちはこれからも解決部を続け色んなことを解決する。
俺のモテ期?いや、こんな日々が続いて欲しい。




