8話
部室に行こうとすると屋上から長い列が出来ていた。
「なんだこれ。俺たちの部室に続いているのか?」
「とにかく行くしかねぇな。」
「そうだな。」
人混みをかき分けて光がある方に進むと悠斗と子奈が話をしていた。
「ここが解決部だよな!」
「そう、です。」
「俺たちの部活も解決してくれ!」
「あ、えっと、その」
「悠斗!」
「氷くん、うぁぁん、氷くん来たー…助けてみんな解決部に依頼があるって僕まともに会話できなくて…」
そういえば、俺らとずっといたから忘れてたけど悠斗と子奈ってコミュ障じゃん。
「悪ぃ、遅れた。とりあえず俺が話聞くから子奈はお茶出して悠斗もそれを手伝って心は隣にいてくれ」
「「うん!」」「おう」
最初の部活は相撲部だった。
大会に出場して欲しいとの事だが俺たち弱いのでパス。
サッカー部
俺が少し乗り気になれなくてパス。
文芸部
なんか良さそうだったけど人前での発表込みなのでパス。
こんな調子でそれぞれの依頼をしっかりと判断して断っていたら最後の1組になっていた。
「あ、あのー」
「最後の方ですね、お席におかけください。」
「は、はははい」
「緊張しなくて大丈夫です。で、依頼はなんですか?」
「あのですね、我々は陰キャクラブなんですが…。」
「そ、そんなクラブが!?」
「はい、非公認なんですが僕を入れて5人ほどいます。」
「はあ」
「ほれで、あの、えっと」
陰キャクラブって何するんだ。
どんな活動してんだろう。他の部活は何となくわかるけどゲームか?アニメか?漫画か?
「活動って何してるんですか?」
「…えっ、と基本的な活動はないですがそれぞれクラスでのカーストなどの確認。一日で何回話しかけられたなどの集計をしています。あとは趣味をそれぞれ…」
「なるほど…あ、すみません依頼内容聞いてる途中でした。」
「あ、いえ、えっとですね、それが非公認なので顧問の先生や部活のお金がないんです。活動してないのであれなんですが。それで先生から陰キャクラブは公認には出来ないから表向きに明るい部活にしてくれと言われました。」
「というと」
「暗い感じではなくしっかりと人と話せるようになれとそれでいて楽しそうな部活にしろと」
「うーん、なるほど」
これはかなり難題だが今までの部活よりかはできるのか?
でもな、非公認の部活をするというのは…
「おい」
「、ん?なんだ心」
「受けようぜ」
「へっ?」
「だから受けようぜと言っている」
「ああ、それはわかるけどなんで?」
今まで隣で何も言ってこなかったのに。
と、俺のネクタイを引っ張り耳元でコソコソと話された。
「なんか俺の中に引っかかるんだ。心が戻ってこられると思う。俺の予想だが」
「わかった。」
俺は陰キャクラブの人に顔をしっかりと向け頭を下げる。
「その依頼受けます!」




