7話
「みんなお疲れ様。あとは結果だゆっくりと他の高校を見るか体調がすぐれなければここで休んでいるといい。」
「「「はい!」」」
先輩たちははい!と大きく言うと勇気先輩の後をついて行った。
俺たちはみんなどんよりと空気が重く他の高校を見に行けるほど元気にはなれなかった。
「ごめんな、部長なのに情けない。」
「いや、僕も声が上手く出せなくて足引っ張ってたから」
「私も」
「俺が1番悪い。」
「えっ?」「心くん?」
子奈と悠斗は心の方をじっと見た。
あ、心の人格のこと2人は知らないのか。
「あ、えっとこれは」
「俺から説明させてくれ。」
そして悠斗は子奈と悠斗に昔、誘拐されそうになったことを話した。
「え、そんなことが」
「もっと早く言ってよって、言えないか」
「心、戻って。」
「俺にはできない。心が戻りたいと思わなければ…」
この日の結果はまさかの優勝。
先輩の作った歌がいいのと単純に他の高校が男子を捕まえられず1人ぐらいだったからである。
それから、心は戻ってこなくなってしまった。
「おはよ。」
「おはよ!」
心の第2人格は俺らのために明るく振舞っている。
「そうだ、さすがに名前同じだとあれだろなにか呼び方変えるか?」
「そうだな。じゃあ同じ漢字だが“こころ”って呼んでくれ」
「じゃあ、それで行こう!みんなにも伝えるからな!」
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「そうだ、さすがに名前同じだとあれだろ。なにか呼び方変えるか?」
俺は心ではない。だからと言って名前を変える訳にもいかない。
心、お前は何が怖いんだ。氷がいるだろ…
「そうだな。じゃあ同じ漢字だが“こころ”って呼んでくれ」
「じゃあ、それで行こう!みんなにも伝えるからな!」
心、俺はお前に笑って欲しい。
お前が笑顔になるなら俺は消えるから。
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「悠斗、子奈!」
「「なーに?」」
2人揃って振り返る。
「心のことなんだけどn」
「戻った?」
「えっ、そうなの?」
「…ごめん、それはまだ。でさ、名前なんだけど"こころ"って呼んであげてくれないか?」
「わかった!」
「いい名前だね!」
2人はそのまま部室に向かってもらうことにした。
部活はコーラス部の依頼が終わり1週間休んでいたが優勝を掲げて垂れ幕が飾ってあった。
「心、そろそろ部活行くぞ!」
「おう、わかった。」
心の支度を待っていると子奈からものすごい量のメールが送られてきた。
"氷くん大変!今すぐ部室に来て!"
「心、ちょっと部室ヤバそうだ。行くぞ!」
「おう!」