5話
「明日は先輩たちのために俺たちがミスしたらいけない。」
「そうだけど、気張ることないよ。僕も不安だけど」
「そうだよ!私たち頑張ってきたから!」
「うんうん!子奈ちゃんの言う通りだよ!」
「そうだな。ちょっとみんな手を出してくれないか。」
俺がそういうとみんなが各々に片手を出す。
「俺の手の上に重ねてくれ」
「うん」「わかった」「うん!」
「明日は絶対成功させるぞー!」
「「「おー!!」」」
――――――――――
当日
「腹痛てぇ」
「氷ー、朝ごはんできてるよー。起きてきなさーい。」
「はーい」
腹を押さえながら階段をおりトイレに入った。
「う、うう」
お腹はギュルギュル鳴り出し、下からは大量に出てくる。
これは…下痢だ!
しばらくこもってると
「氷?大丈夫?今日は休む?」
「いや、今日は行かなきゃ」
「そう、じゃあお粥にしとくね」
またしばらく経つと持っていた携帯が光った。
『氷くんもう学校に集合の時間なんだけど平気? 』
時計を見てみると約束の時間だった。
『俺、直で行くから先に行ってて 』
何とか波が収まりトイレから出る。
「おかん、ご飯食えなそう。車出して貰える?」
「いいわよ。じゃあ、ホッケーロ貼って。あと持つやつとひざ掛けも」
「ありがとう。でも向かう先学校じゃなくて駅で」
「え、なんで?」
「今日、コンクールなんだ」
「そんなの聞いてないわよ。その場所まで連れてくからそれって一般の人入れる?」
「隣町の公民館、一応。」
「じゃあ、行くわよ!これさっきスープ入れてきたからこれくらいは飲んで」
「ありがとう。」
来られるのがやだったから言わなかったけどまぁいっか。
おかんが作ってくれたスープを飲みながら向かった。
…あったかい。
無事に着くとみんなの元へ向かう。
「氷くん、大丈夫?」
「ごめん、心配かけて」
俺が合流したのを見ておかんはそっといなくなった。
「ほんとに心配したからな!」
「すみません、勇気先輩。」
「とりあえずアップするぞ」
「今からですか?」
「我らは1番手だ!」
「え、僕も初耳」「俺も」「私も」
「俺達もですよ。心知ってた?」
「僕はあらかじめ聞いといた。みんなも聞いてると思ったんだけど」
「まじか。」
「さすがだね、心くん」
「じゃあ、アップ行くからな。体調大丈夫か?」
「すみません、俺お腹が」
「あー、大丈夫。発声から出られれば大丈夫、我らの控え室みたいな場所があるから温まって待っててくれ」
「すみません。」
「お大事に。では、それ以外は我に着いてこい。」
「「「「「「はい!」」」」」」