6話
「ほんとにするの?」
「俺だって色々したし」
「でも告白って好きな人にするやつじゃないかな。」
「だったらキスとかも恋人になってからではないでしょうか!」
正論を言われてしまった。
まぁ、氷くんが好きなのは子奈ちゃんだから。
この罰ゲームでこの気持ちは忘れよう。よし!
「氷くんに助けて貰った時から好きでした。」
「…ありがとな。これって返事する?」
「一応してくれないかな?」
「おう、心はずっと俺の親友だ。これからもよろしくな!」
ごめんなさいとかじゃなく僕を傷つけないように言葉を選んでくれたんだろうな。
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
少し涙を浮かべて親友の証の握手を交わした。
部屋の電気を消し氷くんのベットで寝られることになったけど氷くんが床で寝るのは申し訳ない。
「ごめんね氷くん」
「いや、別に俺は平気だけど」
「ありがとね!」
チュンチュン
鳥の鳴く声で目が覚めた。
目をこすり起き上がろうとした時右手に何かが当たった。
しっかり見ようと目を開くとこちらを向いて寝ている氷くんがいた。
「あっ、…えっ?」
驚いて声が出ちゃった、氷くん起きちゃったかな。
「んぅ…」
起きなかった、危ない。
起き上がろうって思ったけどまだこのままでいいかな。
最後の思い出として…
氷くんの顔に自分の顔を近づけキスをした。
「んっ?」
やばい、今度こそ起きる。
僕は寝たフリをして氷くんの様子を見た。
「はああ、やっべ夜トイレ行ったあと普通にベットで寝ちゃった。まぁ、心が起きないでよかった。」
氷くんはゆっくりベットから出るとそのまま部屋から出てってしまった。
僕はさっきキスしたことと今のことでドキドキが止まらない。
「やばいよね…」
顔から煙が出そう。
しばらくしてまた氷くんが入ってきた。
僕が寝ている(寝てるフリ)ベットにやってきた。
「心、朝だぞ。そろそろ起きろよ」
起こしに来てくれたんだ。
「んぅ、おはよ」
わざとらしがったかな?
「おはよ、朝飯パンだけどいいか?」
「うん、用意してくれたの?ありがとう!」
「当たり前だろ!」
ニッと笑う氷くんの顔を見て忘れると言った気持ちも心の中だけでもって思ってしまう。
「ぐすっ、ズズ」
「はっ?えっ、心?」
「あ、いや、ごめんね。なんでもないよ」
「そんなわけないだろ、怖い夢でも見たのか?」
氷くんは優しいしやっぱり好き。
「氷ぐん、ぐすっ、好ぎ」
「…えっ?…ありがとな」
僕の背中を擦りながらなだめてくれる。
こんなに氷くんが好きだったんだな。