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モテ期?いや、こんな日々  作者: 春香 光
久しぶりのお泊まり
48/64

5話

「ご、ごめん。」


心は急いで謝ってきたが俺は固まったまま体が動かなかった。


「…」


「えっと、トイレ借ります!」


心はこの空気に耐えられなかったのか俺の部屋から出ていった。


俺、ファーストキスなんだが。

いや、でもこれはカウントに入らないか。


柔らかかったな。

いや、なんだよ違ぇーよ。


どうすんだよ、これ。


とりあえずトイレに行くか。


「えっと、心…」


「…あ、こ、氷くん。さっきはごめん。」


「いや、俺も…ってかこれは罰ゲームだから、平気だろ?」


「続きは控えてもいいけど変な感じになるのは違くないか?」


「…そうだね」


――――――――――


氷くんはそう言ってたけど僕はファーストキスだよ!

しかも、氷くんと…

いや、これは別にだ。続きやろう!


「罰ゲームトランプやろう」


「結局やるのか?」


「僕が変な風にしちゃったけどゲームだもんね」


自分で言ってて少し傷つく。


「じゃあ、やるか」


氷くんは変わらない様子でトランプを引いた。


「あのさ、これはパスでもいい?」


「えっ?どんなの?」


また恐る恐るカードを見せてくれた。


「右隣にキス」


「…っ」


僕の顔が赤くなるのを感じる。

こ、氷くんとまたキスできるの…。


でも、これってほっぺとかだろうな。


「パスでいいか?」


「いや、ゲームだからやろうよ」


少し食い気味に答えてしまったが仕方ないと思う。


「えっ、まぁ、そうだな」


「…」


顔が赤くなるのを抑えるのはなかなか大変。


不意にほっぺに柔らかい感触が当たった。


「…っ」


ドキドキドキドキ


「ト、トイレ!」


僕はまたトイレに駆け込んだ。


「おい、心。ゲームが進まないぞ」


「…わ、わ、わかってるから少し待ってて少ししたら行く」


「わかった待ってる」


僕は手をほっぺに当てた。


ここに氷くんの唇が当たったんだ。


恥ずかしさと不意打ちと氷くんのカッコ良さにやられた。


「はぁあああ」


深いため息をつき自分を切り替える。


ゆっくりドアを開けて氷くんの部屋に向かった。


「じゃあ今度は僕の番だよね」


1番上のカードを引いた。


えっ、告白?


いや、これはでもゲームだし。でも、フラれたら…。


「どうした?」


「あっと、今日はもうおしまいにして寝ない?」


「なんだよ。カード見せろよ」


無理矢理カードを取られてしまった。


「えっ、告白?」


「このカードってこんな偏ってたっけ?」


「いや、そんなはずないけど。」


山札を全体的に見てみる。


変顔やビンタなど普通の罰ゲームだった。

混ざってなかっただけかな?


「おい。」


「なに?」


「罰ゲーム」


「えっ?」


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