2話
「俺も歌得意じゃないからな笑気軽に行こうぜ!」
「うん」
「じゃあ俺から歌うわ、タンバリンよろしく!」
「あ、うん」
俺が歌うのは妹のアニメの歌。
俺が歌えるのはそれだけだ。
「氷くん、こういうの歌うんだね!」
ちょっと恥ずかしいけど心の前なら別にいいや。
「歌上手いね」
「別に普通じゃね?」
内心嬉しくてたまらない。
「じゃあ次、心歌ってよ!」
「僕も歌うの?」
「無理にとは言わないけど」
「う、ん。1曲だけなら」
「ありがとな!」
心が歌うのはしっとり系のラブソング。
「うまっ!」
心の優しい声がしっとりと歌われて感動してきた。涙でそうなんだけど!
間奏のところで心に話しかけた。
「心、歌上手いな!」
「あ、そんなことないよ。氷くんの方が上手だったよ!」
「いやいや」
そんなことを言ってる間に間奏が終わりに近づく。
すると心の表情がみるみる変わっていった。
久しぶりの顔だ。
「もう1人の心。」
いや、歌うのか!
しかも自信があるからなのかめちゃくちゃ上手い!
「俺の心を困らせるな」
「いや、そんなにつもりはなかったけど…」
「こいつは歌が得意ではないんだ。上手いとは思うんだが」
「うん、上手い!でもやっぱ無理矢理はダメだったな。」
「大丈夫だよ。」
またいつの間にか元の心に戻っていた。
「じゃあ、泊まるためのお菓子とか買うかー!」
「うん!」
ショッピングモールに戻るとお菓子コーナーに行った。
「へぇー、心ってグミ好きなんだな。」
「うん、ガムとか噛む方が好きかな?」
「へぇー、なんか意外かも」
「じゃあ氷くんは?」
「俺?うーん、チュッパチャプスかな?」
「なんかかわいいね」
心に言われるとは…。まぁ、チュッパチャプスを男が食べるはそう見えるかな?
「飴ちゃんが好きなんだよ!」
「ちゃん呼び…。かわいい次から次へとかわいいね」
「もう俺喋んないから。」
「ごめん。拗ねないで」
「拗ねてねーし」
「面白い」
腹を抱えて笑う心に少しほっとした。
「今日はありがとな!」
「ううん、明日楽しみにしてるね!」
「おう!」
俺は心が選んだお菓子や飲み物を家に持って帰った。
「おかん、買ってきた!」
「うん、飲み物とかは冷蔵庫入れちゃって」
「へーい」
飲み物を入れ終えお菓子も出し自分の部屋に向かった。
「この部屋の片付け…」
いや、俺は綺麗だと思うよ、うん。でもなー、他の人が見たらどうだろうか。
「よし!」
進○の巨人のリ○。イさんみたいに三角巾を頭と口につけお掃除モード!
片付けが終わる頃には夜になっていた。
どんだけ汚かったんだ。
心とお泊まり楽しみだな。