1話
「氷くん、僕氷くん家に泊まれるって!」
「そうなのか!えっと…。名前なんだっけ?」
「心だよ!」
「あ、了解!お泊まりかー、心が初めてだよ!」
「ほんと?」
「うん!」
僕達はそのまま話し込んだ。お風呂でも布団の中でも誘拐されそうになった僕の恐怖を忘れさせてくれた。
「その後お母さんが来て家に帰ったけどあの時のこと1度も忘れなかったよ。」
「そうだったのか。」
俺、やっぱり記憶喪失かとボケる場面ではないので冷静に話す。
そして、心がなぜ俺の家の前にいたのかがわかった。
「もしかして、俺に会いに来てた?」
「…うん、そうだよ」
「じゃあ、今度遊ぼうか!」
「いいの?」
「2人がいい?みんなとがいい?」
「2人で」
「りょーかい!明後日空いてるけどまた泊まりに来るか?」
「いいの!行きたい」
「じゃあ、明後日の10時に俺ん家な!」
「うん!」
俺と心は別れて帰って行った。
家に帰ってそうそうおかんに心が泊まりに来ることを伝えると事前にお金を渡された。
「これで必要なもの買っていいから」
「了解!」
「私も会いたかったわ」
「まぁ、次のときな」
「その時は絶対に私がいる時にしてね」
「わかったわかった。じゃあ行ってくる。」
俺は心に連絡をし2人でショッピングモールに向かった。
「心が泊まりに来るから俺より心が見た方がいいと思って呼んだけど平気だったか?」
「うん、大丈夫!氷くんの気遣い嬉しいよ。楽しみだな。」
「じゃあ飲み物とかお菓子買ってせっかく来てもらったから先に遊ぶ?」
「え、いいの?」
「おう、映画館とか近くにあるから見に行こうぜ!」
「うん!」
「そういや何見る?」
「僕は恋愛系が見たいかな、別になんでもいいけど強いて言うなら?」
「じゃあ、それで!」
俺たちはそれぞれチケットとボップコーン、飲み物を買い番号と同じところに入った。
「映画館とか久しぶりだな」
「僕も、あんまり遊んだことないから」
「…じゃあ、今日はめっちゃ遊ぼうぜ!」
「うん!」
映画の内容は普通のラブストーリー。一目惚れをした男の子が女の子に告白する。
結果はOKそれからの内容がほぼ大半をしめていた。
「氷くん、いい映画だったね!」
「そうだな」
顔は笑顔でも心は少し複雑だった。子奈が俺を好きだと思いたい。告白して恋人になりたい。
でも、あんなに簡単に告白できない。
「氷くん?」
「あ、わりぃ。」
「体調悪い?平気?」
「おう!大丈夫。カラオケ行こうぜ!心の歌声聞きてぇわ」
「僕あんまり歌ったことないから」
「じゃあ、決定!行こ!」
乗り気ではない心をカラオケへと連れていった。