10話
無事に秀の家に帰り女装男装タイム終了。
「あー、終わったー!」
「氷くんの女装もっと見たかったな。」
「子奈のもな。」
2人して少し照れる。
心と悠斗は普通に着替えていた。
特に反応がなく楽しくなかったのかと少し不安になった。
「心、悠斗。どっだった?」
「あー、楽しかったよ!」
「僕も」
悠斗は笑顔で言ってくれたが慌ててつくったようだった。心は同意するだけでこれといって表情を変えない。
俺、なにかやらかしたか?
荷物を片付け秀の家から出る。
「秀、家に泊めてくれてありがとな!楽しかったぜ!」
「いつでも泊まりに来ていいからね!」
「ありがとな!」
「お世話になりました!」
「ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
「まぁ、俺はもう一泊して秀を独り占めするけどなー!」
秀のほっぺにキスをして俺たちを見送った。
秀も満更ではないように夕の顔を見ていた。
「じゃあ、解散だな。」
「じゃあ、僕はここで用事があるから。」
「わかった悠斗。またな」
「私も今日はここで」
「子奈もか。気をつけろよ!」
「うん、またね!」
俺と心の2人になり心は口を開いた。
「僕、後で連絡しようと思ったんだけど…。」
「今でも平気なのか?」
「あ、いや、うん。」
「じゃあ、聞くぞ。」
「僕は昔氷くんと会ってるんだ。小学1年生の時駅で誘拐されそうになった僕を救ってくれたんだ。」
「僕、1人?おじさんと遊ばない?」
「ぼくおつかいしてるから」
「そんな事言わないでよー、おじさん悲しいなー」
「…。」
「無視なんておじさん泣いちゃうぞ!」
「泣くのはダメだよ!男の子だもん」
「じゃあ、遊ぼーよ!」
「それはいや」
おじさんは僕の腕を引っ張り駅に入ろうとした。
「やだー!」
周りの大人は見て見ぬふりをし僕は恐怖で抵抗が出来なくなった。
「あ、ごめんね!遊ぶ約束忘れてた!」
知らない男の子が僕の手をギュッと握ってくれた。
「僕はこの子と遊ぶ予定だったの?」
「そうだよ!」
「おじさんもねこの子と遊ぶ予定なんだ、悪いけど今日は帰ってくれないかな?」
「ううん、俺は遊ぶからおじさんまたね!」
おじさんは僕から手を離しどっかに行った。
「ごめんね急に話しかけて俺は氷。よろしくね!早速だけど俺ん家来ない?」
「…うん。」
震える声で氷くん家に向かった。
家の中に入り氷くんのお母さんはびっくりしてたけど優しく受け入れてくれて氷くんとめいいっぱいゲームで遊んだ。
夕日が見え始め氷くんのお母さんが1人で帰れる?と言ってきた。
「僕、怖い。」
「あ、そういえば名前聞いてなかったね。」
「僕、悠斗。」
「あー、悠斗くん!おばさんねママ友なのよ。じゃあ今日はお泊まりしましょ!電話はしとくから氷と遊んでてね!」
「うん!」