2話
「実は、俺はゲイで小学生の時悠斗が好きだった。告白して振られてから、八つ当たりみたいにいじめた。本当にごめん。」
「…そうだったね、僕もとっさに無理って言っちゃった。僕、告白初めてだったんだ。」
「えっ、俺が初めてだったの?モテそうなのに。」
「僕が女の子っぽいからハブられてた。告白は嬉しかったけど女として見られてると思ってたから。誤解だったね。」
「俺の方が悪い。」
そういうと頭を下げて机に思いっきりぶつけた。
「いってっ!」
俺は腹を抱えて笑った。それに釣られるように悠斗も笑った。
「ははは、バカだっ、はは」
「ふふふ、面白いね」
工藤は照れたようにしおでこを撫でた。
それから俺はいろんな話を振ってみた。
「工藤って好きなタイプとかある?」
「あー、俺は可愛い子が好きだな。守ってあげたくなる感じ。」
「あー、悠斗だな。」
「僕、そんなに守られる感じなの?」
「「うん」」
悠斗は少ししょぼんとした。
「あ、でも、悠斗はしっかり自分がやろうと思ったことやってるから!そこいいと思うぜ俺は!」
「ほんと?」
今度は嬉しそうに俺を見上げた。
情緒がすごい。
でも、今度は工藤が寂しそうな目で俺らを見ていた。
「どうした?工藤」
「あ、いや。なんでもない。今日はありがとな。悠斗と仲直り?できたかわかんないけど話せて楽しかった。」
「僕は仲直りしたよ」
「ありがとな、じゃあここは俺が払うから。」
「えっ、工藤の奢り?やったぜ!」
「ありがとね、工藤くん」
頭をぽりぽりと掻き照れくさそうに支払いをしていた。
「悠斗ちょっといい?」
カフェの外に出るなり工藤が悠斗を呼ぶ。
「俺は?」
「ごめん、ちょっと待ってて」
「仲間外れにされたー」
そう言いながら俺は少し離れた。
――――――――――
「悠斗ってもしかして氷のこと好き?」
「…えっ?あええんっ?顔に出てた?」
「まぁ、それなりに」
「まじか…」
「本人は気づいてないから気をつけるかアピールした方がいいと思う。いじめてしまった分存分に2人を応援する!」
「あ、ありがと」
――――――――――
2人が俺の方に戻ってきた。
「話は終わった?」
「あ、うん」
顔を赤くしながら俺を見上げてきた。
そんな様子を遠くで見ていた工藤はもういなくなっていた。
「あれ、工藤は?」
「えっ?あれ、いないね」
「まぁ、いいか。帰ろう!」
明日、子奈のプレゼントが当たることを祈りながら家に帰った。