1話
クリスマス前日。
俺は悠斗と明日持って行くプレゼントを買うことになっている。
ここには工藤が後から合流することになっている。
とりあえず10時に悠斗が来る。
時計と前を交互に見ていると前から私服の悠斗が来た。
見た目に反してクール系の服だ。
まぁ、俺は適当に選んだパーカーとジーパンだけど…。
「ごめん、お待たせ」
「いや、全然待ってないから大丈夫。じゃあ行くか」
「うん!」
まずは服屋さんを見てみる。
誰に当たってもいいようにするには何がいいか。俺、センスないしな。
「氷くん、雑貨とかの方がいいかも」
「雑貨…?」
「うーん、例えば時計とか?」
「あー、時計か。」
「とりあえず行ってみようよ」
「おう!」
雑貨屋さんに着いた。
雰囲気が良くちょっとしたカフェみたいだった。
「カップとかもあるのか。」
「そうだね、僕はどうしようかな。」
「俺はこの猫が書いてあるカップ買う。誰でも使えるしな!」
「うーん、僕はどうしよう。じゃあ、時計にしようかな。」
そういうと自分の近くにあった黒縁のシンプルな時計を手に持った。
いや、悠斗が1番似合うんじゃないかその時計。
なんてことは言わないでおいて、このまま外に出ると工藤がいる。
よし、俺の頑張りだ。
「あのさ、悠斗。もう1人外にいるからこの後一緒にカフェとか行かないか?」
「いいけど誰?子奈ちゃん?」
「いや、違うよ。じゃあ、行くか」
外に出ると工藤がめちゃくちゃかっこいい私服で立っていた。
さまになっている。
「え、え、氷くん?もしかして、え」
「そう、工藤だ。昔のことお互い引きずるのもこれから苦しいだろ。話そう。」
「…」
工藤がこっちに気づき近寄ってくるが、悠斗とのあいだに壁があるように止まった。
「えっと、悠斗。ごめん。どうしても仲良くなりたくて。」
悠斗はうつむきながら俺の腕にしがみついた。
そのままの状態でカフェに向かう。
俺も少し苦しいがどうしても仲良くなってほしい。
「ここのカフェ俺のおすすめなんだ。」
俺は最近知った。
古いけどは余計かもしれないが趣のある古民家カフェ。
俺の横に悠斗、前に工藤が座った。
「おじちゃん、俺メロンソーダ。」
「あっと、僕はカフェオレで」
「俺はブラックお願いします。」
注文した飲み物を飲み一息ついてから問題に入る。
「えっと、工藤はほんとは優しくて面白いんだと思う。小学生の時は」
「ごめん、氷。この後は俺が話していいか?」
「あ、いいぜ。」
「実は…。」