7話
目が覚めると白い天井が目に入る。
眩しい光に目をしばしばさせながらゆっくり起き上がるとベッドのところにうつ伏せに寝ている氷くんがいた。
「えっ、さっき僕、いや、怖い。」
耳元を手でふさぎ震えていると氷くんが起き上がり僕の右手を取った。
「大丈夫だ悠斗。」
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悠斗に言われ心を追いかけた。
「おい、心待てって!」
心の右腕をつかむと心は泣きそうな顔で振り向いた。
「えっ。」
「僕、氷くんと子奈さんがキスしてるの見ちゃった…。ぐずっ」
そう言い切ると堪えていた涙をこぼした。
俺は慌てて心の前に立ちしっかり目を見た。
「それは誤解だ。」
心の表情がみるみるうちに困惑に変わっていった。
「えっ、だって、さっき。」
「あれは子奈に葉っぱを取って貰っただけだから!」
心の顔を両手で挟み涙を拭った。
「…ほんとに?」
「ほんとだ!」
心は後ろを向き両手を顔にあて下を向いていた。
俺が心の前にまた立つ。
真っ赤な顔でまた顔を背く、それの繰り返しだ。
傍から見たら変な人達だろう。
「心、とりあえず家まで送るから。」
「…ありがとう。」
そして心の家の近くで悠斗が倒れていた。
「悠斗、悠斗、おい、しっかりしろ!」
「悠斗くん?救急車呼ばなきゃ。」
俺と心はそこで救急車を待ち、心には帰ってもらって俺は救急車にのり病院に着いた。
すぐに処置が始まりベットにうつされた。
それからそばで悠斗の様子を見ていた。
けど流石に今日は走ったり勉強したり疲れ果てたから眠い。
気づいたら眠りの世界に入っていた。
「えっ、さっき僕、いや、怖い。」
悠斗の声で目が覚めると耳元を手でふさぎ震えていた。
俺は起き上がり悠斗の右手を取った。
「大丈夫だ悠斗。」
「だってさっき…。」
俺は悠斗が倒れてたとこしか分からない、かといって何が起こったのか聞くのも違う気がする。
「とりあえず、今日は入院だって俺は途中で帰るけど安心して寝てな。」
「無理、怖い…。垣上くん、木内くん、工藤くん……、どうしよう、ぐずっ」
その名前を聞いた時小学生の頃の光景が頭に浮かんだ。
あの時、悠斗をいじめた奴らだ。
くそっ、俺がいない時に…。
拳に力がこもった。
悠斗の涙を拭い病室から出た。
「くそっ、あいつら。もう子供じゃねーんだぞ。」