2話
「「待って!」」
2人が必死に俺が立つのを止める。
立つのは別によくない?
ゆっくり席に着くと2人とも手を離して勉強の続きを始めた。
なんだったんだ?
とりあえず、俺も勉強を続ける。
「氷くん、ここってどうやるの?」
心がさっきの続きのように話した。
「あー、ここはこうじゃねぇ?」
「あ、ありがとう。」
なんか嬉しそう。
俺は普通くらいの学力だからなー。
テストやだなー。
「王様ゲームしようぜ!」
夕が立ったと思ったらそんなことを言う。
「夕、勉強は?」
「ちゃんとやるよ!王様ゲームやったらな!」
「もう、夕ったら。」
「僕もやりたいです!」
「私、やったことないです!」
「じゃあ、僕も」
これはやる雰囲気なのか?
悠斗が乗り気なのが分からないがやるしかない。
夕はどこから出したのか割り箸を人数分出した。
「赤の印は王様!あとは数字ではなくマーク!」
「夕、なんでマークなの?」
「だって、数字じゃつまんなくない?」
マークはめんどくないか?
「ちなみに、☆・○・□・△・♡で☆と♡が出た人は王様の次に偉いから自分が無理なお題だったら1度王様に交渉できる。」
「変わったルールだね!僕、初めて!」
いや、悠斗これはみんな初めてだと思うぞ。
俺だって知らないし…。
「じゃあ、早速やってみよー!」
「「「「「おー!」」」」」
「おー?」
「じゃあいくぞ!」
みんな夕が手に持っている割り箸を掴む。
「王様だーれだ!」
「あ、僕だ!」
「じゃあ、やって欲しいこととマークを命令して!」
「えーっと、じゃあ○は僕と席替え!」
「○は誰?」
「私だよ!」
「やったー、氷くんの隣の席だ!」
嬉しそうな悠斗とは裏腹に俺は悲しかった。
せっかく子奈と隣だったのに…。
子奈の方を見てみるとニコニコしていた。
俺の隣はやだったのか……。
そんな顔に出すと悠斗に失礼だが浮かない顔をしている俺のことは置いといて次が始まる。
「王様だーれだ!」
「俺だ!じゃあ、秀は俺のほっぺにキス!」
「おい、それは王様ゲーム関係ないじゃねーか!」
「うるさいぞ、氷。」
夕から目を外し、隣の秀を見てみると満更でもないように赤くなりモジモジしていた。
「ほーら、秀。んっ」
夕は自分のほっぺをつんつんしながら近づく。
秀はゆっくりと夕に近づきちゅっと軽くキスをした。
その現場をみた俺らは顔をボッと赤くさせ目線を下に下げた。
当の本人秀は両手で顔を隠した。
夕は満足気に微笑む。
もしかしてこれがしたかったのか?




