5話
しばらくして本を読むのをやめてゴソゴソと着替え始める。
制服に腕を通し「よしっ!」と気合を入れて自分の部屋から出た。
リビングで朝食にトーストが置かれている。
俺はトーストを口にくわえ歩いて学校に向かった。
教室のドアを開けると早く来すぎたのかまだ誰もいない。
自分の机に座り待つが誰も登校してくる気配がない。
なんでだとは思ったがさらに待ち続けると担任の先生が来た。
「宮城…、俺しっかり言ったよな今日は文化祭の振休だ。」
「あっ、そういえば」
「一応教室に確認しに来て良かった、早く帰りなさい。」
「すんません。」
俺は恥ずかしさに顔を赤くしながら家に戻った。
昨日の子奈との会話ですっかり飛んでた。
そういえばおかん驚いた顔してたな。
ドアを開けるとおかんが来た。
「氷、氷が明日は休みって言っといて学校行くとか…くっ、ふふふ」
「笑うんじゃねぇよ!」
「ふふふ、いや、ふふふ」
「もういいから着替える!」
自分の部屋に駆け込んだ。
恥ずかしい。
その時俺の携帯が鳴った。
画面に映し出されたメールを押す。
送り主は心からだ。
"間違えて学校行ってない?平気?"
エスパーかなにかか、でもなんでそんなこと送ってくるんだ?
"どうしてそんなこと聞くんだ?"
"先生の話し寝てたから聞いてないかもと思って昨日言おうと思ってたんだけど楽しくて忘れちゃってた"
まじか、見られてた。
"先生の話は一応聞いてたぞ!"
それだけ送り覚えてたんだけどなと心の中で思う。
"そっか、余計だったね。"
"いや、ありがとな言ってくれて"
"いや、ごめん"
最近は心の様子がおかしいと思っているがあまり踏み込めない。
入っていいのか分からない。
とりあえず期末テストも近づいてきたし部活のメンバーと成績優秀な秀に勉強教えてもらうか。
夕も誘わないとな。
心にもなにか事情があるかもしれない。
とりあえずは置いておこう。
"心、部活のメンバーと秀夕も呼んで勉強会をしないか?"
"いいよ、場所とかは?"
"秀の家とか?なんちゃって"
"いいんじゃないかな、家でかそう。僕のイメージだけど"
"じゃあ、秀に聞いてみる"
"うん、"
なにか続きを打とうとしたのか間違いなのかは分からないが句読点が打たれていた。
気にせずに続きを打つ。
"じゃあ、予定決めたら部活で言う"
"わかった"
返信を見てから携帯を置き色々考え出す。
場所は秀の家とは言ったけどもしもの場合は図書館とかか?いや、責任を取り俺ん家か?うーん、時間は日にちは…
とりあえず後なげして俺はリフレッシュに本屋に行くことにした。