3話
「めっちゃそっくりじゃん、ミックスベジタブルも美男美女なんだな。」
「すごい、ファンの僕でも似てると思っちゃうくらい。」
「似合ってるよ!っていうのも変かな?」
「僕なんか似合わないよ」
最後に心が言うとみんなが揃って
「「「それはない!」」」
と言うと心は驚いた顔をした。
俺は心の肩に手をおき
「それはないと思うぞ。」
と念を押して言った。
その後話題はそれて、男女装喫茶が始まった。
夕と秀は大人気で写真を求められていた。
大盛況のまま文化祭が無事に終わり夕と秀を入れたメンバーで屋上で打ち上げをした。
といってもなぜクラスでやらないんだと思うかもしれない。
それは夕と秀が人気すぎて倒れそうだったから俺たちは2人をここに連れてきた。
打ち上げと言ってもオレンジジュースにお菓子を少しだけ座れる席も限られている。
「今日はありがとう。」
「いーや、部活ないようだから」
「なんか義務的だな。」
「しょうがないってでも、たのしかったな!」
「そうだね。僕と楽しかった!」
「僕も」 「私も」
「じゃあ、乾杯でもするか。」
俺は秀の顔を凝視した。
秀は俺の視線に気づくとギョッとした。
その横にいた夕は俺の事を睨んでいる。
俺、なんか嫌われたみたいだな。
「仕方ない、乾杯は……悠斗、お前がやれ。」
「えっ、僕が?無理無理無理、絶対無理だってー!」
「お前ならできる!」
悠斗の目をしっかり見て言うと急に顔が真っ赤になり後ろに倒れそうになったのを何とか心が支えた。
「ここは部長の氷くんが乾杯するんじゃないかな?」
俺と子奈が座っていた椅子を立ち、心が悠斗を横にさせながら言った。
「結局俺か。じゃあ、グラス…といって紙コップだがみんな持って。」
悠斗以外のみんながコップを持った。
「乾杯!」
「「「「乾杯!!!」」」」
コップがぶつかりオレンジジュースがはねる、悠斗のコップにもオレンジジュースを注ぎみんな乾杯した。
「改めてお疲れ様ー!」
子奈が大きな声で言った。
こんなことが言えるようになったのかと父性が湧いてくる。
「お疲れ様!」
「お疲れ様…。」
「お疲れ様です。」
「お疲れ様っ!」
みんなでお疲れ様を言い合った。
そして目線が合いふと笑顔がこぼれる。
「今日、俺女装大丈夫だったか?」
「氷くん、うーん大丈夫だったよ。」
「そんな間を開けないでくれよ」
「氷くん可愛かったよ!」
「そうだよ。」
「秀にはめっちゃ劣るけど」
秀と夕は辛口評価だった。
まぁ、確かに言い返せないほど2人が綺麗だった。
「まぁ、なんだかんだあったけど楽しかったな!」
「そうだね。」
「うん、楽しかったね!」
「本当にありがとう」
「…ありがと」
「悠斗はもう少し休ませるか。時間も時間だし解散するか。解散!」
「「「「解散!」」」」
みんなで片付けをして、悠斗は俺がおんぶして帰ることになった。
「じゃあ、本当に今日はありがとう。」
横で夕もコクっと頷き秀と手を繋いで帰って行った。
「じゃあ、僕もそろそろ。またね」
「おう、またな!」
「子奈は?」
「悠斗くんが心配だからついて行くよ」
「あ、うん。行くか。」
俺は子奈と並び夕日が沈みそうな空の下を2人で歩き始めた。