2話
「で、持ってきたか?」
「ああ、こんだけでいいかな?」
そう言って見せてくれた袋はパンパンだった。
それも2つ持っている。友達とかになんだろうとか思われただろうな。
「あれっ、夕は?」
「ああ、ちょっと陸上部の手伝いしてる。」
「相変わらずすごいな。」
「ああ、そう思う。」
「じゃあ、早速着替えてくれないか?」
「ここで?」
「大丈夫だよ、見えないと思うから。」
「根拠ないでしょ!」
「心とかは時間遅らせてるから早めにさ」
「やっぱりここだとさ」
「なに?女装見られたくないんでしょ。」
「そうだけど、そうじゃn」
「早めに着替えろよ」
俺はホントにここで着替えるのかという顔をしている秀を屋上に残し屋上のドアの前に座った。
しばらくして屋上のドアから
「出来だぞ!氷くん、いるよね!」
面白いから少し黙ってみた。
「氷くん?返事して、お願い!」
その時
「おい、氷。俺の秀をいじめるな。」
俺はポカンとした。目の前にいるこの人が誰なのか分からなかったからだ。
そんな人の後ろから心・悠斗・子奈がひょこっと顔を出した。
「えっ?」
「早くそこどけ。」
多分だけど男装した夕に今蹴られた。
「いってぇ、」
そして屋上のドアを開けた。
「…夕。」
「大丈夫か?」
2人とも本人なのか分からないほど変わっていた。
俺は蹴られた右腕を擦りながら心達と中に入った。
「2人とも本物だァ!このノートにサインください!」
「いいよ」
「1枚に2人の書くのか?」
「はい!」
嬉しそうな悠斗の後ろで2人の姿をみて一昨日悠斗に教えてもらったアカウントと交互に見た。
確かにこのまま女装とかしちゃうとバレるな。
「なにかては…」
「そっくりさんみたいでいいんじゃない?」
心がそんなことを言う。
そんなことでみんな納得するのか?
「悠斗、なんか案ないか?」
「やったー!サインー!」
これはダメだな。
「子奈は?」
「うーん、心くんの案がいいかな?」
「そっか、じゃあそれでいくか!」
「まじか?」
「氷くん、子奈ちゃんには弱いから。」
そんなこんなで文化祭当日。
教室はいい雰囲気の喫茶店みたいだ。
あの二人のことで忘れてたけど俺も女装だ。
料理おかんに習っておけば良かったななんて今からじゃ遅いな。
そんなことを思っていると教室の前のドアが開いた。
「変じゃないかな?」
「似合ってる?」
いつもと反対の性格で入ってきた2人にみんなが不思議な顔と驚いた顔の2つをした。
「えっ、ミックスベジタブル?」
「本物?正体って夕ちゃんと秀様?」
場が騒然のなる。
俺たち解決部は2人の前に立ち例の作戦を始める。