11話
「えっ、先生が顧問なんですか?」
「他に顧問になってくれる先生はいないだろう?」
「それはそうですけど…。」
「じゃあ、来週の月曜日屋上にHRが終わったら待ってろ!じゃ、後で」
ドアを閉められた。
その後すぐに子奈と心にさっきのことを話して解散した。
月曜日。
言われた通りHR終わりに屋上に行きドアを開けると1つの机と椅子があり椅子には叶先生が座っていた。
俺らを見ると手をあげ
「おっ、来たな!早速話を始めるか。」
「あ、ちょ、先生少し待って…とりあえず席って一つだけなんですか?」
「え、そこ?あ、ごめん」心も俺に突っ込んだがすぐに謝り後ろに下がった。
「あ、いやそうだな。もういいや。先生どう決めるんですか?」
「全部私の都合だ!」
「は!?いやいや、先生の権力振りおろしすぎじゃないですか!」
「しょうがないだろ!こっちだって君らを相手する暇なんてないんだから!」
「なんでちょっとキレてるんですか!」
「とりあえず、活動日は月水金。夕方6時までだ。これ以降はそっちで決めろ。じゃあな。」
叶先生は椅子から立ち上がりドアを開けそう言いながら後ろ向きで手をひらひらと振りながら去っていった。
「えっ、本当に…。まぁいいか。子奈、活動内容というか部活の名前からか。」
「うん。」
「解決部!様々な内に秘めていたり誰にも言えなかった問題を解決する。子奈にも言ってしまうけど、ゆまりは何かを抱えている気がする。それを解決してやりたいんだ。」
すると思ってもみなかった反応が帰ってきた。ゆまりは立ち上がり俺の手を握り食い気味に言った。
「そう、なんですか。それなら協力します!」
「あ…ありがとな!でもこのことはゆまりにはこれで。」
自分の口に人差し指を近づけた。
「うん、分かってます!」
「氷くんってすごいね。僕、本当に解決部が出来るなんて想像してなかった。」
「えっ?」
「だって、僕がいたら。あ、いやなんでもない。」
「俺はお前が頼りだった!心、お前は解決部副部長だ。よろしくな!」
心の手を握った。
心は少し戸惑いながらも
「うん!」と笑顔で言ってくれた。
それから毎日といっても活動日の月水金だけだがコツコツと机やら椅子やらを持ってきて部室っぽくしてる。
雨が降った時は絶望だった。
せっかく用意した机やらがびしょ濡れになって雑巾を何枚も消費した。
こんなことしている場合じゃない。ゆまりと話さないと!
もしかしたら。
「子奈、ゆまりと会ったら屋上に来てって言ってくれる?もし会えなそうならメアドって交換してる?」
「う、うん、あるよ。」
「俺からだとさすがに来て貰えないと思うけど子奈からなら来てくれると思う。ゆまりに屋上まで来てって送ってくれる?」
「わかった。」
「よし、頼んだぞ。俺は心のとこにも行って知らせるから。」
「うん。」
「心、今日の放課後HR終わったら屋上で本格的に活動始めるぞ。」
「うん、わかった。」
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「心、行くぞ!」
「うん!」
心を連れて屋上に向かった。
俺たちより少し早く来ていた子奈と目が合った時に少しニコッと笑ってくれた。
胸が高鳴る。子奈へのドキドキなのかこれから起こることに対してなのか分からないがその気持ちはひとまず抑えて屋上のドアに最後の仕上げ。
前々から作っていた解決部の札をかけた。
俺の趣味で作ったこの札は木の板に自然と落ちた木の枝や葉をアレンジした物だ。
渾身の出来だ!
「すごいね!」
「いつの間に作ったの?」
「それは秘密!」
我ながらなぜ秘密といったのか分からないが…。
俺たちは椅子に座って少し待った。
するとドアがゆっくりと開いた。
「子奈ちゃん?」
「ゆまり、話があるんだ。」