ヘキサグラムは〝文明の星〟!(旧版)
私見〝文明の星〟理論(仮説)では、科学・技術、制度・政策、
経済・社会活動、物的資源、人的資源、自然・社会環境を、
文明の六つの要素としてあげました。
この六要素を図示する際には、〝ダビデの星(The Star of David)〟
または〝ソロモンの印章(The Seal of Solomon)〟
あるいは籠目紋として知られる、
六芒星(ろくぼうせい/ヘキサグラム)の形を使っています。
しかしこれには、特別にオカルト的、
または思想的な意図があるわけではありません。
この図形で説明するのが最も論理的、効率的で合理的
というのが第一の理由です。
第二の理由は美しく、やっぱり何だか有難そう……
ということですが(笑)。
それを考えたきっかけは、
素人小説『Lucifer』の執筆ですが、
これも怪奇小説ではなく、
異星人が人類を文明化したという設定のSF小説です。
(『古代宇宙飛行士説』には論争事例もありますが、
楽しくて神秘的な創作上の設定としてお許しください。 )
この図形を使うのが最も合理的だという理由は、四つあります。
第一に、例えば六つの要素を横に並べるだけよりも、
輪を描くように並べた方が、
各要素が一定の順番で変化・課題化した後、
初めに戻ってそれを繰り返すという、
文明発展の循環を説明しやすいからです。
第二に、六つの要素を上記の順で並べた時に、
3つの文明活動要因と3つの内外環境要因の区別を示すには、
両者をまさに六芒星の形に、逆三角形と三角形の線で結ぶのが、
一番簡単で分かりやすいからです。
第三に、このように並べた各要素を矢印で結べば、
文明の両輪である技術と政策の役割や分類を、
きれいに対称的な形で説明することができるからです。
第四に、この図を使えば、文明社会の課題と対策を、
政策分類に応じた形式で、体系的に示すことができるからです。
(もちろん、政治的に不都合といった場合には、
中国やトルコの国旗のように、
5つの要素を5つの星や五角星であらわし、
自然・社会環境を図形の地や、科学・技術の角を覆う三日月で
表すこともできましょう。)
確かに六芒星という、印象的で美しく、
神秘的かつ有難そうな図形で説明できる、
という偶然が嬉しかったことも事実ですが 、
何より学問的に見て、まずはこの形が一番便利だなというのが、
六芒星を使った主な理由です。
文明にはどんな意味や、仕組みがあるのか。
これまでどうなってきて、これからどうなるのか、
それに対して私達はどうしてゆくべきか……。
こうしたことを考えても、すぐに何か利益が得られたり、
仕事ができたりするわけではありません。
しかし、人間の仕事がどんどん省力化されて頭脳化する一方、
その成果である文明活動がますます拡大・複雑・加速化している今日、
大勢の人がそれを知ったり考えたりしている場合と、
そうでない場合とでは、後々大変な違いが出てくると思います。
対象となる時代や地域、主体となる学問領域の垣根を越えた、
包括的、分析的で総合的な
(モレなく、手堅く、バランスの良い)文明論が、
初等教育から高等・専門教育そして実用生活まで、
今後いっそう社会に普及し、役立てられるよう願っています。
最後に、〝ダビデの星〟の故郷であるイスラエルは日本と同様に、
①周辺と比べると小さな地域ながら独自の文明圏をなし、
②地政学的要地のため欧米文明からも拠点として支援され、
③天然資源が少ないため、
人間の知的向上を通じた技術や政策の発展を重視してきた、
という共通点があると思われますし、
さらには④日ユ同祖論という、夢のある説もあるそうなので、
これも何かのご縁、他の国々と同様に学び合い、協力し合って、
発展してゆけたらいいなと思います。
人類文明がこれからも、新たな技術と政策を社会に活かし、
発展し続けられることを期待します。