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このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
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肆之捌 モブ、キツネ巫女のおなかに興味ない

「オラ腹を吸え! 吸わんかいいいいぃぃ!」


 落ち着けキツネ。そういう露出系路線で行くの? 前にも尻尾モフれとかうるさかったけど、そんなに猫神使がうらやましかったのか。


「七海、許してやれ。神使にはお主の加護の神威は正気をなくすほどに甘美なのだ。正直、猫も少しはあてられている。撫でられると喉を鳴らすほどには」

「すぐゴロゴロ言いますもんね、猫神使。え、猫神使がうちにいるのは俺の神威とやらのせいなの?」

「猫は我が神の神意と猫の意思によってここにいる。が、そこなキツネのようにおかしくなるほどあてられてはおらぬ」


 猫神使とキツネのこの差はなんだろうね?俺が知らないことになってる神の加護って、そんなマタタビみたいなものなんだろうか。


「猫はオスだがキツネはメス。そこに差があるのやも知れぬ」


 キツネはメスだから神威に酔ってる? 神使にそんな性別の意識はあるんだろうか。わかんないからまあいいや、俺キツネ娘に興味ないし。


「そういえばキツネ、前に俺が監視できなくなったとか言ってなかったっけ? 猫神使も心当たりなさそうだったけど」


 うー、むー、と口をモニュモニュさせるキツネ。なんなの。言いたいことあるなら言いなさいよ。


「七海よ、聞いてやるな。権限以上に監視を強くしようとして稲荷神に怒られた上、他の稲荷神使や眷属にも協力出来ぬようにされ、自身による目視しかできなくなったのだ」

「なんで猫風情がそこまで知っとるのじゃ!」

「受持神は古事記にも記される唐の穀物神ぞ。いわば稲荷神たる宇迦之御魂うかのみたま大神と同格。ならばその神使たる猫が知るのもまた道理」

「ぐぬぬ、この長屋が天海の仕込みだと妾は知らなかったのじゃ。あやつ、よりによって伏見の宇迦之御魂うかのみたま大神に直接文句を言いに行きおって」


 なんかすごい事になってたんだな。大僧正が解決してくれてたのか、ありがたや。でもなんでそんなことしてくれたんだろ。


「それほどに七海が大事なのであろ。詳しくは知らぬが、この世の在り方を決めるべき存在と聞いた」

「それピンと来ないんですよね。衛人は活躍してるみたいですけど、俺は狭い知り合いの中で生きてるだけなんで」


 俺の知り合いってどこまで行っても大僧正絡みなんだよなあ。河童もそうだし。あ、猫神使は違うか、あとゴンザレス。そのくらい?


「あー七海ちょっといいか? 神使方も遮ってすんません」


 平賀のおっさん、いたんですね。空気になってんじゃん。この人、俺が猫神使吸ってる間なにしてたんだろ。


「茶屋連中に頼まれてた企画書を作ってたんだけどよ、現代……仙境にいたお前さんにも意見を聞きたいんだが構わねえか?」

「あ、はい、俺でよければ」


 この人、俺が猫神使吸ってる間も仕事してたのか。静かだなーとは思ってたけど、まさか企画書作ってたとは。


「助かる。茶屋娘の番付を作りたいんだがよ、茶屋のガイドブックに握手券付けるのはどう思う?」


 秋○商法をお江戸に持ち込むのはどうかと思います。

 お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ更に下にスクロールして広告下の白星を「ぽちっと」押してやってくださいませんか。


「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。


 評価をいただければ、七海が喜んで通報をものともせずに五体投地でお礼に参ります。

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