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このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
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肆之参 モブ、約束の地のチケットを手に入れる

 あの、天海大僧正は頼れないんですか? あの方ならどうとでもできるんじゃ?


「安易に神仏には頼れないのよー、それが約定だからー。あの方、半分仏様だから取り決めに引っかかるのー」


って、言われてもなあ。俺はどうすりゃいいのか。


「やっぱりななくんの加護を当てにするしかないわあ。猫様、それって鼠の封じ込めもできますう?」

「問題ない。鼠を入れぬことも、入った鼠を出さぬこともどちらもできる」


 お姉様方がなにやら相談を始めておられる。


「ナナくうん、うふふ、ちょっと相談があるのだけれどお」


 突然、クマラさんが迫ってきた。柔らかいアレやコレが色々当たってます! ありがとうございます!


「その鼠封じの力だけれどー、今回の討伐に貸してもらえませんかー? あなたには珍しく、本当に珍しく人の役に立てますよー」


 にこにこしながらの魔乳尼さんのナチュラルな罵倒、これもありがとうございます!


「不甲斐なく、また申し訳ない。我らの術は怪異相手でなければ、あまり役に立たないのだ。力を貸していただけるとありがたい」


 クールビューティが泣きそうになってらっしゃる。このギャップ! ますますありがとうございます!

 あーでも鼠とは言え、妖怪なんですよね?俺の加護は通用するんだろうか。


「保食神の権能の前では妖怪であろうと問題はない。鼠は所詮鼠である。猫が保証する。」

あれって範囲は城全体でも大丈夫ですか?

「一里四方くらいなら、まあなんとかなろう。」


 驚きの広さですやん。ほぼ4kmが一里だっけか。


「そも、本邦においては保食神うけもちのかみは蚕の鼠封じの神である。養蚕は天照大神の御業ゆえ、保食神うけもちのかみもまた強力である」


 背中を反らせて伸びながら、猫神使が仰る。

 何言ってるのかわかりませんが、わかりました。大丈夫だそうですよ。

 お姉様方が目を丸くしてザワついてらっしゃる。猫神使が変なこと言ったんだろうか。


 とりあえずもう作業もできんし、猫神使をモフる。おほー、といつものようにおっさんくさい声を上げながら喜んでらっしゃる。最近は腰を触っても怒られなくなった。さすがに神使のふぐりは触れないけど、だいぶ仲良くなれたと思う。


 クールビューティーが身を乗り出して、


「もちろん報酬も出す。お願いできないだろうか?」


 と、聞いてくる。報酬ですか、果たして用意できますかな?


「金子か?宝物か?天下の珍品か?できるだけ希望に沿うことを約束しよう」


甘やかしてください。


「え」「はー?」「ふふ」


俺を甘やかしてください。三者三様のやりようで、いや、違うな、俺の希望通りに甘やかしてください。


「さ、参考までにどのように?」


 よくぞ聞いてくださいました。俺のお姉様妄想プランへようこそウェルカム。

 まずはクールビューティー。


「うわ、なんやこの気! きもちわる! 今まで以上に気持ち悪い!」


 人を甘やかすことには不慣れでしょう?いや、それでいいんです、それがいいんです。いかにも不慣れな感じで、報酬だから仕方ないのだ、と自分に言い訳しながら、ぎこちなく俺を甘やかしてください。


「そ、某にできるだろうか。」

「歪んでるー」

「ななくん、童貞くさいわあ」


 だまらっしゃい。次は日昇様。

「はいー」


 貴女はその毒舌を生かしつつ、行動は甘やかしてください。そして時々優しい言葉を、そうですね、毒舌8割に優しさ2割くらいでお願いします。


「んーでもー」


 優しさ2割は多いですか?1割でも全然オッケーですよ。


「わたし毒なんて吐いたことないけどー?」

「それはない」

「それはないわあ」

「お二方の言う通りかと」


 衛人まで突っ込んだ。普段からにこにこしながらの自覚のない毒舌に晒されてるんだろうなあ。羨ましい。

 では普段通りで俺を甘やかしてください。好きになってもええんやで?


「報酬なら仕方ないけど、期待が気持ち悪いのもまた仕方ないねー」


 それ!それです!その方向で何卒、ひとつ。

 最後にクマラさん。


「なあにい?」


 クマラさんは俺を振り回してください。できるだけ自分気ままに、自分勝手に、お色気多めで。


「そんなことでいいのお?」


 あ、でも基本、憎からず思ってて、でも困らせることに喜びを見出す、そんな振り回し型の小悪魔加減でお願いします。


「あら、じゃあ私も普通にしてればいいのねえ」


 そう言ってくすくす笑う。いちいち小悪魔じみてて、ホントありがとうございます!わーいわーい!

 そうと決まれば行きましょう。あ、猫神使も着いてきてもらっていいですか?こう、加護の詳しい使い方のイメージが今ひとつピンとこないもので。


「良い。我が神の権能を知らしめるべく猫も行く」


 ありがとうございます。ほら、衛人行くぞ。これが済んだら疑似お姉さまハーレムだ。キャバクラに行くダディもこういう気持ちだったんだろうか。だとしたらあんたの気持ちもわかるぜダディ。


「七海さん、そういうとこ、ほんとブレませんね……」


 行くぜ、鼠退治!いざキャバクラ!

 お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ更に下にスクロールして広告下の白星を「ぽちっと」押してやってくださいませんか。


「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。


  評価をいただければ、七海が喜んで通報をものともせずに五体投地でお礼に参ります。

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