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このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
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参之拾玖 モブ、スライムみたいなのと話をする

リハビリの毎日です。病院飯、うまくねえ。

まならない現実を噛みしめてたら、衛人とぬらりひょんがいつの間にか和解してた。和解というか、衛人サイドが一方的に討伐する気だっただけだけど。よく許したね、ぬらり。


「ただ飯喰いの邪魔をしないのであれば、誰も敵ではありませぬ。八番殿も巷の風評に惑わされた、いわば被害者。許すもなにもないでございますよ」


 思ってたより、できた妖怪だった。まあこいつがいいなら、それでいいや。


「ところで七番殿、玄関先に珍しいものが埋まってますぞ」


 ぬらりが言う。玄関先に目をやると、白くて丸くてプルプルツヤツヤした何かが地面から顔を出していた。これはひょっとして異世界でお馴染みのスライム? やっと俺の知ってる異世界が出てきたの?


「ほう、太歳とは珍しい」


 猫神使が興味なさげに言う。たいさい? なにそれ、スライムじゃないの?


「すらいむとやらは知らぬが、これは太歳とも肉霊芝とも呼ばれる、不老の妙薬とも、木星の神の陰とも、五行の木精が凝り固まったものとも言われておる。正体は分からぬが、見ての通り、プルプルしておるだけのものよ」

「ぼく悪い太歳じゃないよ!」

「こやつはなにを言っておるのか」


 猫神使も俺も不老は必要ないし、こいつには特にメリットもデメリットも感じないな。玄関にいられると滑りそうで困ることぐらいか。てか、喋るのか、こいつ。このなりで自我あんの? でっかい水饅頭みたいな見た目しやがって。


「とりあえずどっか行ってくれる?玄関の邪魔だから」

「せっかく良さそうな場所を見つけたのに⁈ あなたに出ていけという権利があるんですか?」

「あるよ。ここ、うちの玄関だし」

「もうすぐ英雄が僕を見出して仲間にするはずなんです! もう少しだけ待ってくれませんか?」


 あー、英雄ね、今日はそいつに迷惑かけられっぱなしなんだわ、おい衛人、スライムっぽいのからご指名だぞ。


「なんですこれ?」

「お前が仲間にする予定なんだってさ。なんでもいいから、ここからどっか移動させて」

「なんでこんなプルプルしたのを仲間に?」

「知らねえよ、本人(?)に聞け」


衛人の英雄豪傑パーティーにスライムっぽいなにかが加わることになりました。


お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ更に下にスクロールして広告下の白星を「ぽちっと」押してやってくださいませんか。


「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。


評価をいただければ、七海が喜んで通報をものともせずに五体投地でお礼に参ります。

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