参之拾捌 モブ、隣の芝生が青過ぎて眩しいよお
そんなこんなで衛人たちが屋敷に帰る頃合となった。
「さらば、愛しのロリ長屋(ボソッ」
「お前、今小っちゃい声で何つった?」
「なんも言ってないです」
「こいつ、これで大丈夫なんですか?ねえ、お姉さま方!」
「私の呼び方はクマラで結構よお、ナナくん。神使が直接、呪を掛けたからここの子たちは大丈夫のはずよお」
「この術、割と手加減なしだねー。破ろうとしたらどうなるか、私にもわかんないねー」
うわ、物騒だな。まあキツネのことだから殺しはしないだろ。しないよね?
「なんだろう、これ。封印が稲荷の祠に紐付けられてる?なにかあれば祠にそのまま封印されるっぽい?」
陰陽師と尼様がなにやら物騒な分析をしてらっしゃる。生きたまま封印とか、怨霊以下の扱いかよ。
いつのまにかクマラさんが衛人の背後から抱きついてる。衛人がややげんなりしてやがる。贅沢なやつめ、この小悪魔かつムチムチお姉さんの何がそんなに鬱陶しいのか。俺にも夜の稽古をつけてもらえませんかね?
「貴方も可愛いけど、成長は止まったでしょ?やっぱり成長途中の少年じゃないとねえ。この日々変わっていく肉体、それに振り回される精神、この矛盾を詰め込んだような青い存在、たまんないわあ」
薄い本のほうのオネショタだーー!案件でござる!者ども案件でござる!
まさか牛若丸に稽古つけたのもショタだったから?畜生、なんて羨ま妬ま憎らしい。俺もオネショタの爛れた関係が欲しかった。今なら町すら嫉妬の炎で焼き尽くせる!
「火付けは問答無用で獄門よお。」
この世界の常識をありがとうございます! 割とおっかないですね!
この方、いつもこうなんです。俺を子供扱いしてお姉さんアピールしてこくるんですよ。
バッケロウ、パンが無ければケーキを食べればの革命前夜のマリーかよ、合気蹴り(※そんな技はありません)かますぞ、この贅沢野郎。
「天狗サマ、七海さんに近づかないでくださいな!」
スパーンと唐突に妙さん再登場。なんで?スパーンはキツネの専売特許ですよ?
「あら、お世話役の子? 心配しなくてもナナくんを取ったりしないわあ。」
なんなの? 展開がめまぐるしいのは。台本でもあるの?
俺んちはコントの舞台なの? このあと盆が回 って裏からアイドルが現れるの? 「ダメだこりゃ」ってボロボロになって言うところなの?
「…取るとかじゃなくて!」
お妙さん。お顔が赤いですよ。今日は暑いですからね、水分と塩分とってね、気をつけましょうね。
「んふー、やっぱりこのくらいの子がいいわあ。」
衛人が後ろから抱きしめられて愛でられている。ぬう! あれはおっぱいファーストシート! 顔の左右におっぱいが振り分けられ、サラウンドで立体的なおっぱいを実現。なんというエグゼクティブ感!
羨ましい。指くわえてしょんぼりしちゃう。
ふと気がつくと、俺の腕に妙さんに抱きついてる。お年に似合わない立派な膨らみがムギュッと、こう、ね。
ここで無言のアイコンタクト。皆まで言うな、俺ら中身が入れ替わったらきっと幸せだよな。
「なあ衛人、いっぺん頭ぶつけてみようか」
「奇遇ですね、俺も同じこと考えてました」
世の中とは、どうにもままならないものであるなあ。
お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ更に下にスクロールして広告下の白星を「ぽちっと」押してやってくださいませんか。
「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。
評価をいただければ、七海が喜んで通報をものともせずに五体投地でお礼に参ります。




