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このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
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参之拾漆 モブ、ぬらりひょんに飯テロされる。

脳出血で入院しています(マジ)

ですので、更新が滞ることも今後あると思いますが、御理解いただければ、と。

皆様もご自愛くださいませ


 とりあえずいっぺんみんな落ち着こう。衛人はしっかり反省しな。みんな、お騒がせでした。キツネが呪ったから大丈夫みたいだよ。一旦解散しよう。いろいろ疲れたでしょ?」

「呪いではない、神呪じゃ!」


 知らねえよ。この子らを安心させるのが大事なんだから、細かい違いはどうでもいいよ。


「キツネ様、ありがとうございます!」

「ふふん、感謝するなら油揚げを寄越すのじゃ。信仰と油揚げは同じ価値があるのじゃ!油揚げなき信仰なぞ無価値と知れ!」


 お前、それはさすがに神様も怒ると思うぞ。一応、関東の稲荷神使の纏め?なんだから、そういうとこはちゃんとした方がいいんじゃないかな。


「はっはっは! 妾の言葉は宇賀野御霊うかのみたま!のお言葉! 崇めよ、奉れよ! 油揚げの上に油揚げなし、油揚げの下に油揚げプベッ」

 

 キツネの頭にゴーンとなにかが落ちてきた。

 黒々とした、これは……


「これお釜?」

「お釜ねえ」

「お釜だねー」

「稲荷神は穀物の神。穀物を炊くお釜が落ちてきたということは…」

 

 ということは?


「猫は神罰だと思う。この釜からは宇賀野御霊の神気が感じられる」。


 猫神使が断じる。調子に乗ってたキツネが神から直接、罰を当てられるなのはわかる気がする。そりゃ神様も怒るよね。


「はい、キツネに神罰が落ちました。なので、みんなは稲荷神に正しい感謝をしてください。間違っても油揚げの数が信仰の代わりになるとか思わないでね。


 

 はーい、と長屋のロリ住人が三々五々帰っていく。悶絶してるキツネは放置でいいだろう。


 さて、衛人。狭いとこだけど、とりあえずうちに上がりな。お姉さま方もどうぞご一緒に。

 俺んちに一歩踏み込んだらお馴染みの気配がする。


「氏子の寅吉よ」

「はい、いますね。ちょっとしばいてきます」


 毎度懲りずにまた来たのか。うちに入ってスパーンとぬらりひょんの後頭部を叩く。衛人、クマラさん達が揃って飛び上がった。やっぱ見えてなかったんだな。そう言えば狐も知覚してなかった。これは確かに驚きのステルス能力だ。

 このタイミングで来るんじゃないよ。英雄豪傑の八番がいるんだから狩られても知らんぞ?


 俺を庇うつもりか、畳に座ったままの衛人が膝立ちで前に出て抜刀しようとする。やめなさい。と、衛人のケツを足で押す。つんのめって顔から転んだけど刀は抜けてないから怪我はないね。

 あ、小生もう、喋って大丈夫でございます? 皆さま修羅場っぽくてもう、飯が進んで進んで。

 貴様ぬらりひょんか! 我らの目標の一つ!

 俺を庇うつもりか、畳に座ったままの衛人が膝立ちで前に出て抜刀しようとする。やめなさい。と、衛人のケツを足で押す。つんのめって顔から転んだけど刀は抜けてないから怪我はないね。

 クマラさんが翼広げて臨戦態勢をとる。つっかえた。狭いですもんね、長屋。

 ああ、暴れないで、まあちょっとお聞きくださいな。ほれ、ぬらり、説明、説明。あ、クマラさん、障子紙破らないで。怒られるから。大家さんに怒られるから。

 ぬらりひょんが、かくかくしかじかと説明してる。途中から妖怪合議のグルメリポート始めた。話だけでうまそうだなおい。会議中なのに本格的な懐石出るんだ。八寸から強肴も出るの?繊細な料理ですね、最後は薄茶と水菓子で締めるんだ。それ食事会とか懇親会じゃね?

 こんなんを総大将と思ってたのか…。

 衛人とクマラさんが崩折れている。

 まあ、ただ飯のプロと言うか、並みいる妖怪や神使にも姿を認識できない、食い逃げに特化した妖怪なんているとは思わんわな。

 小生、ただ飯のためだけにこの世に生じましたから!

 うるせえ黙ってろ。俺の箸使うなってば。


 ところで、なんでそもそも妖怪の総大将を倒す流れになったの?妖怪ってそんな悪さばっかりする存在だっけ?俺が会ったの、河童とらぬらりひょんと狐ぐらいしかいないけど。

「ナナくん、天狗はなぜ天狗だと思う?」

? 神使とか妖怪みたいな超自然的な存在なんじゃ?

「天狗はね、知識欲に取り憑かれた僧侶が外道に落ちてなるものなのよお。」

 え、それじゃクマラさん、元人間なんですか?

「そう、元人間なのよねえ。修験の験者だったの。昔、牛若に兵法仕込んだのも、自分の知識や剣術がどこまで実戦で通用するか、知りたくなったからなのよお。」

 まさかの義経人体実験説。鎌倉幕府の皆さん、あなた方、天狗の実験で勝てたみたいですよ。て、ことはもしや。

「だからエイくんがどこまでできるか、妖怪総大将で試すつもりだったのお。」

 衝撃の事実。豪傑の怪異退治はただの試験運用だった。あの、エイトの魂が抜けてますけど。おい、帰ってこい、仮の体で魂抜けたら多分えらいことになるぞ。なるんじゃないかな。。、いや、そうじゃなく。クマラさん、責任持ってエイトのケア…えっとフォロー…えっと、とにかくちゃんと説明と謝罪しといてください。可愛がるなら最後まで面倒見て。


「なんで?」


 ああもう、こういうとこホント外道だな。

可愛がるなら自分のことだけ考えちゃダメです。ペットにも命はあるんですよ、自分の都合だけで命をどうこうするのはダメでしょ。


「でも私、外道だしねえ。」


ですよね。えーと、放置ペットは後々、野生化して大きな社会問題になりますよ。そういうのは、誇るべき知識人としていかがなものでしょうか。


「そっか、なら考えなくちゃだわねえ。」


 エイトはペット呼ばわりにショックを受けたのか燃え尽きてる。

 クマラさんは考え込み、エイトは放心し、ぬらりひょんは食後の茶を淹れようとしてる。

改めて思う。なぜ俺んちはこうもカオスなのか。いいから静かに作業させろ。

お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ更に下にスクロールして広告下の白星を「ぽちっと」押してやってくださいませんか。


「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。


評価をいただければ、七海が喜んで通報をものともせずに五体投地でお礼に参ります。

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