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このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
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弐之弐拾参 モブ、長屋の住人を総ざらえする

「七海さん、長屋に新しく住人が入るようですよ」


 ゴンザさんが根付を取りに来た日の午後、お妙さんが俺んちに来て教えてくれた。


 うん、知ってる。いざなぎ流で絵師志望のさよちゃんがなぜか目の前で猫神使と遊んでるからね。


「平賀さんのおかげで鐵造(てつぞう)さんも習ってた勝川派に入れたぜよ! 鐵造(てつぞう)さん大人気だったぜよ!」

「そうなの? それは意外だな」


 破門されたのに人気者って相当な実力者か人格者だったんだろうか。


「うん! 皆さん、あの恩知らずが!って」


 いや、それ大人気じゃないから。無駄にポジティブだな、この子。


 鐵造(てつぞう)さんというのは、さよちゃんに江戸で絵を描くのを勧めた旅の絵師だ。河童騒ぎの、ある意味全ての元凶とも言えよう。


 では突然だがこの辺で、神田は遠傘長屋のメンバーを紹介するぜ!


 まずは魚なら俺に任せろ! 井戸端奥様のアイドル、魚屋の次郎吉! 俺のお江戸ファーストコンタクト物件だ! あのときは本当に失礼しました。こっちの常識に疎い俺の頼れる兄貴分です、お世話になります。20歳代前半っぽい感じ?


 お次は大規模普請の鬼! 大工の熊八! 平賀のおっさんの仕事中に足を折っちゃった腕利き棟梁だ! お妙さんのお父さんでもある! ちなみに奥さんは流行病のオケケモサモサの療養中。お大事になさってください。ベテランの熊みたいな見かけなのに数えで38歳とか。満年齢だと30代中盤かよ。


 続いては、市中の噂は俺の物! 心中、醜聞、美談、艶談なんでも来い! 読売、つまり新聞屋の新左さん! うちに来ていろいろ話してくれる、引きこもりの情報源! 作業

中はうるさいからホント勘弁してくださいお願いします。俺とは同じくらいの歳らしい。


 次は往来に咲く二輪の花! 放下といわれるアクロバット足芸芸人のロリ双子姉妹、さな&かな! 二人揃って人見知りという、絶対に大道芸に向いてない性格! なんでその職選んだの? 俺もろくに話せたことないです。お妙さんと同じくらいに見えるけど、どうなんでしょうね?


 美魔女ならこの人! 男は手玉に取ってなんぼ! 元辰巳芸者の春駒姐さん! 昔はこの界隈じゃトップ芸者だったけど、今は芸者さん相手の三味線師匠!もう十五歳くらい若かったらよかったのに。お願いですから弟子のお姉様方を紹介して頂けませんか? 四十絡みだと大家さんは言ってたよ、俺が言ったんじゃないよ。


ラストはお江戸の引きこもりの星こと俺! 寅吉なのに庶民扱い! それだけで存在がめんどくせえ! すいません悪気はないんです。満年齢は18歳の学部1年生です。


 これが今の遠傘長屋メンバーだ! そしてニューメンバー、いざなぎ太夫にして絵師見習いのさよちゃんが新しく加わるぜ! もうロリはお腹いっぱいです、なんでこの長屋選んだの?


 大家さんは、絡む輩も名前一つでピタリと黙る、幡随院(ばんずいいん)長兵衛さん! そんな立派な名前だったんですか? 相変わらず強面から一目置かれてる、カタギに見えない爺様です。歳はよくわからん。


 住人ではないけれど、なぜか長屋への出入りの多い、南町奉行所与力の嶋田様。 寅吉の俺担当のお武家さんだが、それにしてもよくいらっしゃる。なんなら、長屋にいらしてることを俺が知らない場合もある。謎の洒脱なお侍。30歳くらいだと思う。


 大家さんはじめ、住人の癖が強い。あとロリが多い。ロリの上が飛んで、人妻と熟女ってなんでだ、そこはお姉様がいるべきでしょう神仏よ。どこかのお姉様よ、うちの長屋へ引っ越して来てください。

 なんで俺こんなとこ住んでるんだろう。

お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ「ぽちっと」押してやってくださいませんか。




「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。




評価をいただければ、七海が喜んで五体投地でお礼に参ります。

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