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このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
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肆之肆拾捌 モブ、キツネの正体を聞かされるがよくわからない

長々と放置してすいませんでした。入院とかしてないです(本当にしてない)

「七海さん、長屋にいましたか。さあさあ寛永寺に行きますよ!」


 なんか頬を腫らした衛人が俺を急いで引っ張って行こうとしてる。何があったの。


「落ち着け衛人、何があったんだよ。そんでなんでほっぺた腫れてんだよ」

「自称水虎の河童が来たんですよ。だから討伐しようとしたら殴られまして」


 お前、一応豪傑でしょう? 河童にやられてんじゃねえよ。


あやかしだと思って斬りつけたら避けられて剣の間合いの外から殴られたんですよ。なんですかアレ」


 あー、河童の特技のあれか。片腕引っ込んで、もう片方が伸びるやつな。初見ならビックリするだろうな。


「なんであやかしなのに剣の軌道を半身になって避けられるんですか? あれ、うちの流派じゃ三寸って言う身のこなしですよ」


 知らねえよ。河童の拳を見切れないお前の未熟だよ。まあ俺だったらその前にバッサリ斬られてますけどね? 河童は大僧正に苦戦させた実力者だから仕方ないね。


「ところで三寸って何? なんか秘伝っぽい名前だけど」

「別に秘伝じゃないですけどね、切り上げ・切り落としの外側に足を半歩踏み込んで半身で避けてこっち有利にする歩法です。割とポピュラーな技法なんじゃないかな」


 なんか合気道の入り身っぽいのかな? 接触なしでの体の転換も習ったな。向こうに戻ったら先生に聞いてみよう。


「その河童が『若一に気をつけよ、七番を迎えて大僧正の下へ行け』なんて言うから急いで迎えに来たんです。ロリ狐巫女さんに何があったんですか!」


 キツネが心配なんだね、衛人。俺もさっぱり分からんから大僧正に聞くとしようか。


「あとロリ絵師ちゃんはどうしてますか! あの河童は使い魔らしいじゃないですか!」


 いい加減うるせえよ。さよちゃんは絵師の修行に行ってるよ。河童関係は大僧正なりクールビューティー(ポンコツ賭け狂い)なりに聞け。


「ふむ。来たか、七海に八番」

「なんで七海さんだけ名前で俺は八番呼ばわりなんですか?」


 そりゃお前、付き合いの長さだよ。多分。

 ですよね大僧正?


 お馴染みの奥の間で待ってた大僧正と挨拶を交わしてから今回の話を聞く。

 一応確認しますけど、ややこしいことじゃないですよね?


若一にゃくいちの封印が綻びかけておる」


 まさかのキツネが封印されていたという新情報が出てきた。封印って、悪いものを封じるあの封印ですよね? 河童も封印されてたんでしたっけ。


「キツネが封印? 封印されてた割に元気に動いてましたよね?」


 俺の家に来たり、油揚げを豆腐屋にねだったり、寺から盗んだり、この世を謳歌してたように見えましたが?


若一にゃくいちはの、元は九尾の分体だったのじゃよ」

「九尾って宮廷で好き勝手やって討伐されたあの妖怪の?」


 衛人は知ってたみたいだ。モブはよくわかんない。大僧正、説明プリーズ。


「殷の紂王を狂わせた妲己という女子おなごがおってな、こやつは九尾のあやかしだったのじゃよ。殷が滅びたのちに本邦に渡り玉藻前たまものまえとして鳥羽上皇に取り入っての、那須野で人を食い漁ったという」

「なにそれこわい」


 キツネ、そんなのの関係者だったの?


「当然討たれたのじゃが、その時三つに分かれて殺生石になっての、そのうちの一つが封ぜられ、そこから生じた狐が若一にゃくいちよ。わかるじゃろう?」


 さっぱりわかりません。なんで石からキツネが生まれるんですか。大僧正、説明端折りすぎじゃないですか?


「七海さん、殺生石知らないんですか?」

「知らねえよ。詳しいのなら説明する権利を衛人にやろう」

「なんか無駄に上から目線ですね……。殺生石って言うのは九尾の狐の欠片って言われてましてね、近づいたら死ぬんです」


 なにそれ、めっちゃ怖い。


「温泉地に近いからメタンガスやら一酸化炭素やら有害なのが窪地に溜まってそこに入ったら死ぬ、とか聞いたことありますけど、こっちだと本当に近づいたら問答無用で死ぬみたいです」


 リアル湯煙温泉殺人じゃん。犯人は妖怪だけど。そんな怖いのからなんでキツネが生まれたの? あいつ一応神使だよね?


「若一はの、言わば九尾の欠片なのじゃよ。討伐され、身を分かたれた、力が弱まった九尾がなんとか現世に戻ろうと足掻いた結果、妖ともなんとも言えぬモノとして顕現したのじゃよ」


 はー、人に歴史ありってやつですね。しかしキツネがそんな危ない存在だとは知らなかった。


「なんでその時に討伐しなかったんですか?」


 あっさりっときゃ慌てることもなかったでしょうに。


「七海さんは鬼ですか、いや悪魔ですか! ロリ狐巫女さんはこの世の宝じゃないですか! るなら今ここで七海さんを」


 怖いよ衛人、俺を血走った目で見るな。ちょっと落ち着け。刀に手をかけるな。


「ところで大僧正。俺が呼ばれたのってひょっとして意味あります?」

「無論じゃの」


 そう言うと、おもむろに印を結んでなにやら唱えておられる。

 あー、そういうことか。俺にどなたかを降ろすんですね? キツネに効く神仏って誰なんだろ?


 誰かちょっとはモブを憐れんでやってくださいませんか。


 お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ更に下にスクロールして広告下の白星を「ぽちっと」押してやってくださいませんか。


「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。


 評価をいただければ、七海が喜んで通報をものともせずに五体投地でお礼に参ります。

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