表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
12/127

壱之拾弐 モブ、長屋で美少女に出会う

昨日は更新できずにすいませんでした。

梅雨が本格化する前に峠走っとこうなんて少しも思ってませんし実行してません。


あー周山街道チャリで走るの楽しかったー!  タイヤ交換したら次は鷹峯走ろうーっと!

 与力の嶋田さんに連れられて入り組んだ下町を抜けていく。とある簡素な門の前で立ち止まった。


「宇野殿、こちらでござる」


 門になにやら表札らしきものがたくさん掛けてある。


「どれどれ……読めませんね」

「はっはっは、寅吉の方々は最初は皆が読めぬようですな」


 みんな読めないのか、安心した。嶋田さんに続いて門をくぐって中に入る。

 うわー、時代劇で見た長屋って感じだなー、長屋なんだけど。狭い道の両脇に玄関が続いてる。道の真中には板が敷いてあってところどころぬかるんでる。ここに住むのかー。一人暮らしは初めてだけど大丈夫だろうか? 俺はここの常識知らずなんだけど。


「嶋田様、その方をあたしがお世話すればよろしいのですね?」


  その時、長屋の一軒の戸が開き、可愛らしい声が聞こえた。来たか! 待望の女子枠か!


「左様。妙、こちらの宇野殿は寅吉であるので市井に疎い。よろしくお世話を頼みたい」

「はい、確かに承りました。宇野さま、ご家名でなくお名前はなんと?」


  くっ!何というふんわりオーラのちっちゃい子!バブみすら感じさせる笑顔でこちらをご覧になっておられる。

  ただ、ただもう少しだけ、もう少しだけ俺よりお姉さんであったならば!


「初めまして、俺は七海と言います、妙さん。気軽にななみとお呼びください」

「ななみさま、ですか。寅吉の方は変わったお名前なんですね」


 コロコロ笑ってらっしゃる。可愛い。しかし、しかし!どう見てもこの子ロリです。見た目12・3歳に見える。

 違うんですよ、甘やかし上手の愛されやわらかお姉さんが俺には必要なんですよ、神仏。ロリをリクエストした覚えはないんですよ。だが身なりを一生懸命に整えたぐらいは俺にもわかる。妹がいますからね、わからないと地獄が待ってましたよ。

 しかも江戸での生活において不慣れな俺をフォローしてくれるという。

 どうしよう、お姉さん教から転向するべきか。転びお姉さんとして迫害を受けつつ、ロリコニスト信仰を受け入れるべきなのか。


「そうだ妙殿、よければ宇野殿に読み書きを教えてもらえないか」

「え、あたしが、ですか?」


 首を傾げるすがたがとても愛らしい。ダメか、お姉さん至上主義もここまでの命運か!転ぶか⁉︎ 転ぶのか!


 不意に友人としたある誓いを思い出す。


 やつは姉を持っていた。

 俺は妹を持っていた。

 互いに己にないものを求め、俺は姉の素晴らしさを語り、やつは妹を希求し、互いに実の姉妹の現実を語り合った。

 姉は弟に抵抗を許さぬ暴君だとやつは吐き捨て、妹は兄を自分の欲望を満たすための道具としか見ない悪魔だと俺が叫ぶ。

 一体いくらの金が、どれだけの時間が搾取されたことか。いくつお宝キットが壊され、会心の塗りが剥がされ、研ぎ出し途中に指紋をつけられたことか。


 そう言う俺にやつは、姉は男の尊厳を壊し続けるのだ、と血を吐くように訴える。何年も、あらゆる手段で、執拗に、ただ姉の弟である、それだけの理由でいたぶられ続ける苦しみが貴様にわかるのか。すね毛を面白半分に剥がされたりとか、と歯軋りの隙間からギリギリと苦悩をこぼす。

 俺たちは血の涙を流しながら、互いの願いを願いのまま、尊重することを誓いあった。


「よって俺はロリには転ばぬ!」

「宇野殿?」「七海さん?」

「あ、なんでした?」


 危ない危ない、友との誓いが俺に力を与えてくれたぜ。


「いや、妙殿に字を教わってはいかがかと話していたのだが。」

「いいんですか?お願いしても。」

「怪我したおとっつぁんの世話の合間になりますが、それでよろしいなら。」


 日常生活のお世話になるのに、それ以上に個人教授とか負担にならないだろうか。

 礼金は俺の手当てから払うつもりだけど、いくら払って、いくら割り増したらいいんだろう?


「妙殿には腕のいい大工の父御がいるのだが、足場から落ちて怪我をしたのだ。幸い平賀殿ご依頼の普請をしていた最中ゆえ、医の寅吉、小石川の渡部殿に早くかかる事ができたのだ。しかし、このままでは生活が立ち行かなくなるので、宇野殿の世話役を平賀殿が頼んだ、という次第にござる」


 なるほど、平賀さんが一石二鳥を企んだということか。俺にとってはありがたいことだけど、この子に迷惑でなければいいんだが。


 そして幕府だけでなく、町の人の役に立っている寅吉がいると知れた。この寅吉システム、この世界にとってかなりどころじゃなく有益なんじゃないんだろうか。

 俺はなんの役にも立たないけどね♡


「平賀様がご紹介くださり、渡部様がお父っつぁんを診てくだすったおかげで、なんの憂いもなく看病できます。あたしたちにとって寅吉のお名前は仏様のようなものです」


 待って。目をキラキラさせないで。あなたの前の寅吉はどうしようもない方の寅吉です。本物の半分仏様にそこの片隅でモブっとけと言われた方です。面目ない。ロリとか思ってごめんなさい。


「えっと、謝礼はいくらお渡しすれば?」

「宇野殿はそのような心配はされずともよろしい。束脩(そくしゅう)は町方より支払いますゆえ」


 マジすか、奉行所、優しくないすか。そくしゅうてなんすか。お手当てあるらしいから払いますよ?


「拙者ごときには神仏の思召しは分からぬが、宇野殿には寅吉のお役目がござろう?ならばお役目のために後顧の憂いを断つのが某の役目にござる。」


 おおう、前と後ろからのキラキラサンドイッチかよ。いい笑顔で言わないで! 罪悪感すごいんですけど! モブなんすよ俺。


お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ「ぽちっと」押してやってくださいませんか。


「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ