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このEDOはフィクションです  作者: 石依 俑
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肆之肆拾壱 モブ、今日もブンドドを夢に見る

 摩利支天様めんどうなの曰く、


「最近天人として生じた信長とやらが地上に良い器ができたと触れまわっておってな」


 信長さんめ、よくも言いふらしやがったな。お陰で面倒なのが来たじゃねえか。


 もうね、天上だか神仏だか知らないけど、しばらく放っといてください。改めて言いますけど、モブは静かに暮らしたいんですよ。旧キット改修もまだ手付かずなんですよ。頭じゃなくて手を動かしたいんですよ。別に頭も動かしてないですけど。


「俺の安寧はどこに行きましたか。体を作り替えられてこっち、休まる暇もないですよ。作業に静かに集中したいです」

「だが七海よ、そうも行かなくなった。すまぬが無理を言う」


 ほらー、大僧正がまた頭下げてるー。ダメじゃん、菩薩様が頭下げないでくださいよ。誠実なのはこの方のいいとこだけどさあ。

 で、何が起きましたか?


「お主を通して顕現したがる天部が増えておっての、もう少しだけ我慢してほしい」


 なんなの、俺は天界の皆さんのおもちゃなの? 俺というおもちゃを壊す勢いで顕現してくるよね? いい加減にして。俺でブンドドするのやめて。ぼくだって生きているんだぞ。


「仏界の先輩方にご協力を願って天界は抑える。それまではしばし我慢を頼む」


 そう言われたら我慢するしかないじゃないですか。降りてきたら呪力の生える天人とかいらっしゃらないですか。

 このお江戸で呪力がないのがこんなにストレスあるとは思いもしませんでしたよ。


 天海先生…ブンドドがしたいです…。


 さよちゃんに制作、操作を頼めば一発解決なんだろうけど、違うんですよ、俺の意志でリモートブンドドがしたいんですよ。そこでハッと気がつく。


「大僧正、今その人形に摩利支天様が入ってるんですよね?」

「? まあそうだの」

「摩利支天様、動いたり飛んだりビーム出したり出来ますか?」


 そうだよ、これができるなら俺に呪力なくてもブンドドできるじゃん。出来ますか? 摩利支天様よ。


「びいむとやらは分からぬが、その程度なら自在である」


 ふよふよと飛ぶ人形。そして人形のくせに動く関節。


 なんでこったい、さよちゃんに協力してもらったらブンドドも手軽にできるんじゃ? 

 俺の作ったキットに傀儡の技を掛けてもらって、そこに天人じゃなくてもなんか霊的なもの、例えば河童とかに入ってもらえば俺の夢は叶うんじゃ? どうですか大僧正!


「無理だの」


 願い潰すの早いですよね、大僧正。なぜ無理なのか聞いても?


「これは霊木をいざなぎの技で削り出し、陰陽の術で整え、その上、儂の力も注いでおるからの。今回は七海を救う故、少し無理をしたが、これは普通のことではないのじゃよ」


 あざっす! そしてすんませんした! ご無理させて申し訳ないっす!


「七海よ、ところでブンドドとは何か」


 え? そこから? まあここ、お江戸だもんね、ロボットのプラモも組立済みトイもないもんね。説明不足でした。


「俺らの世界には人が乗り込んで操る、大きな鎧武者のカラクリみたいなものが物語の中にありましてね、それなりに人気があるんですよ」

「ふむ?」

「で、男の子はそれのおもちゃで遊ぶんですね。ブーンと飛ばしたり、ドドドドって撃った振りして物語の再現したりするんですよ。そういう遊び方をブンドドって言うんです。衛人は当然知ってるよな?」


 未だ呪力の操作に苦しんでる衛人に話を振る。きっとこいつもそんな少年期を過ごしたはずだ。


「いや、初耳です。俺は剣しかやってませんでしたから…」

「え、ロボットのプラモ作ったことないの?」

「ないです。おもちゃもあんまり欲しくなかったし」


 なんということだ、まさかそんな奴が存在したとは。


「ロボット作ったことないか。じゃあ航空機? カーモデル? 船舶? まさか戦車か? そこが入り口になるやつは少ないんだけどな。いや、最近はそうでもないか。戦車アニメの影響で売れたしな」


 まさかのスケールモデル派か。俺の中ではスケモ派は少数派なんだけど、メーカー数で言うと国内海外問わずにスケールモデルのメーカーの方が圧倒的に多い。ロボット出してるプラモメーカーなんて片手で足りるくらいだ。

 なお、ロボット出してるガレージキットメーカーは山ほどあります。プラモじゃなくてもレジンキットだけど。みんなロボット好きだもんね、仕方ないね。


「いえ、そういうことじゃないです」

「え、じゃあまさかのお城シリーズ?!

あ、でも最近色分けランナーのスナップフィットモデルが出てたな。そういうことか、渋いとこ行くねえ。童◯社は俺も嫌いじゃないぜ」


 亀有公園のお巡りさんの漫画でも「これは誰が買うんだ?」って突っ込まれてた扇風機のプラモでお馴染みのメーカーだ。 


 初心者向けのお城プラモが観光地の人気のお土産になってるってどっかで見た。浅草の熊手市でも浅草寺の提灯や三社祭の御輿のプラモが飾ってある熊手があるらしい。需要ってどこにあるか分かんないもんだな。


「いえ、そうでもなく、プラモデル作ったことないんですよ。うち、厳しいので」

「それはちょっとにわかには信じがたい」

「なんで遊びの基準が全部プラモなんですか」


 プラモ自体作ったことないとか、本当に現代日本男子かよ。日本人だけどラーメン食ったことないとか、そのレベルの話だろ。

 お急ぎでない方、毛色の変わった此の物語をまだ読んでも構わぬとお思いの方、向後に期待してやろうという方、よろしければ更に下にスクロールして広告下の白星を「ぽちっと」押してやってくださいませんか。


「ぶっくまーく」などもお気が向きましたらお願いいたします。


 評価をいただければ、七海が喜んで通報をものともせずに五体投地でお礼に参ります。

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