肆之参拾弐 モブ、金丹の話を聞くが理解は遠い
「ななくんも随分気配変わったけどなにかあったあ?」
「えっと、神様曰く体を金丹に作り変えたそうで、天人になった信長さんに取り憑かれました」
「「「金丹?」」」
お姉さま三人衆の声が揃う。そんな驚くことなんですか?
「ど、どなたに? いや、そもそも辰砂から金丹を練るなぞ、神であろうとそうそうできることでは……」
一見クールビューティーな土御門さんが大層驚いてらっしゃる。そんな驚(以下略)。
「金丹は仙薬の最高峰だよー。君ごときが手に入れていいものじゃないんだけどねー」
魔乳尼さんの日照さんがジャブ気味に罵倒してくる。ニコニコしながらの罵倒は相変わらずたまんねえな。もっとください。
「ところで」
クマラさんが俺に向き直って聞いてくる。
「ななくんは金丹って何か知ってるう?」
そこ! そこですよクマラさん! 衛人にカチコミかけさせる話の後、うやむやになって詳しく聞けてないんですよ。大僧正も言ってくれないし、他の寅吉は固まってるし、結局、金丹ってなんなんです?
「金丹はねえ、ひと匙服用するだけで天仙になれる薬なのお。唐の皇帝が代々探し求めるくらいの秘薬ねえ」
「天仙ってなんすか? 仙人になれるとか?」
仙人って奇跡を起こす長い白髭生やしたおじいちゃん? くらいのイメージしかない。
奇跡起こすくらいなら大僧正始め、さよちゃんや猫神使もできるでしょ? 色々麻痺してるけど俺の周りはそんな物件ばっかりです。
「大僧正もいざなぎの技もすごいけどお、仙人は桁が違うのよお。不老不死とか、命のないものに命を宿すとかあ」
「不老不死なら寅吉もそうだし、クマラさんもそうなんじゃ? それに命のないはずの傀儡に命宿した河童がいますよ。鳥さんもそうですよね?」
「あれ? そう言われればそうねえ?」
なんだ、仙人って大したことないじゃん。俺の知り合いの範囲でなんとかなるじゃん。
「いやいや、仙人ってそんな軽い存在じゃないのお。時の権力者が挙って求めたんだからあ」
「不死、かつ、権力者の大僧正は?」
「……そうねえ」
クマラさんが、黙ってしまわれた。お姉さまを問い詰める気はなかったんです。それで俺の体が金丹とやらになって今後どうなるんでしょう?
「とりあえずー存在自体が機密になっちゃったねー。他の藩に知られたらえらいことだねー。他の国ならもっとだねー」
なんとか黙っていてください。お願いします。なんなら体を差し出しますデュフ♡。
「いらないー」
「いらぬ」
「いらないわあ」
そっか、いらないかー。もうちょい俺に優しくてもいいんじゃない?
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