20.EXTRA SKILL
両親は芋と小麦を交互に作っていたので、芋作りには、残っていた種芋を使っていた。
だが、今回は、エリスさんからカボチャを依頼されている。
この国では、芋と小麦が主食だ。次いで、カボチャの消費量が多い。
1日目
カボチャに合うようにと、
(土壌改良)
を念じながら掘り起こしていく。
同時にカボチャの種を蒔いていく。
(降雨調整)
2日目
今まで荒れ地になっていた所を耕していく。
かなりの石や岩が埋まっている。
両親もこのような土地を切り拓いていったと思うと、頭が下がる。
(重力操作)
ボコボコと土の中から石や岩が出てくる。
(解除)
ドスン
ドサッ
パラパラパラ
困った。こんなに出てくるとは思わなかった。
50メートルくらい先まで石の列ができてしまった。
[鉱石採掘(小)]
と目の前に現れた。
(コウセキサイクツ)
とつぶやく。
「うわっ!」
突然目の前が薄暗くなる。
ちょうど日暮れ直後の感覚だ。
すると、岩石が並ぶ所どころがさまざまな色でぼんやりと輝いている。
一番近くで、灰色に光っている部分を覗きこむ。
[鉄鉱石]
と表示された。
「?」
僕は鉱石関係はほとんど無知だ。
しかし、何かしら意味があるのだろうと思い、輝いている岩や石を、片っ端から集めて、収穫箱に入れていった。
すべてを取り除くと、再び昼間の明るさに戻る。
それでもまだ石垣のような状態で、大小様々な岩石がある。
どうせなら、本当に石垣を作ってしまおう。
大きめの岩を重ねながら道沿いに並べていく。
スキルをつかえば、芋一つ分くらいの重さになるので、意外とすんなりできた。
膝の高さくらいの石垣が、家の前から南に20メートルくらいできあがった。
「これ、いいかも!」
僕は調子に乗って、更に荒れ地の岩石を、次々と浮かび上がらせ、
(コウセキサイクツ)
と念じる。
先ほどと同じように視界が暗くなり、所々の石が輝く。
輝いている岩や石を集め終えたところで、
(わはははは! お前、おもしれーヤツだな! 俺も手伝ってやるよ!)
再びガイアさんの声が響く。
「……」
僕は何が起きるのだろうと、黙って待っていると、
(何、ぼーっとしてんだよ! スキルを見てみろよ!)
と怒鳴られた。
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ファーマー レベル3
大地の神の加護
重力操作(小)
土壌改良(小)
地熱操作(小)
鉱石採掘(小)
EXTRA SKILLS
城壁組成
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「ジョウヘキ? ソセイ?」
と、口にした途端、掘り起こした岩が勝手に積み上がっていく。
勝手にといっても、細い道に面した所の岩はきれいに並び、「面」を形成している。
石垣は、みるみるうちに岩の壁になっていく。
「ストーップ! ストップ! ちょっと待って!」
領都の壁よりも高く、頑丈に積み上げられた。
せめて腰くらいの高さの石垣で、幅が100メートルもあればいいのだ。
イメージをし直して、
(城壁組成)
と念じる。
積み上がった岩や、荒れ地に残っていた岩が、横に長く伸びていく。
そうそう、こんな感じだ。
数分後、小さな石まで組み込んで、かなり頑丈そうな石垣ができた。
石垣の上に乗ってみても、全体重をかけて押してみても、ビクともしない。
「すごい! ガイアさん、ありがとうございます!」
(ふふん!)
まんざらでもなさそうだった。
その日の農作業を終え、自宅に戻り、輝く石で大きなものをハンマーで小さくしたり、色ごとに選り分けたりして、麻袋の中に入れていった。
価値がわからないので、商業ギルドかエリスさんのところで見てもらおう。
お手数ですが、是非とも評価をお願いいたします。
少しずつですが、定期的に更新できるよう、頑張ります。
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