トルコ石の住処
葉脈に触れながら
その終わりを見る
全然
効果が無い薬みたいだ
緑の下には固まった土
蚯蚓の秘密基地
土竜という巨人
いや
怪物だろう
咥えられたら逃れられない
悠々自適の生活と
とある意味では同じ
僅かながら残った風は
大地に空気がある事だけを
教えている
人が吸って吐く息吹きの方が
その弱々しい風よりも強い
負けぬよう
弄ばれぬよう
唯一のライバルとして
認めながら
勝つ事を望んだ先に
残った欠片は
少しだけ濡れていた
あれは誰の涙か
今ではわからぬ事だった
賢さで積む
形の無い物よ
それはそれではいけない
横にズレる事は
道を外れる事とは違うのだ
突き刺す
ひたすらに突き刺す
それはそれではいけない
その形を望む物が多かろうと
その形を容認する世界では無い
焦燥し焦燥し
溶け過ぎた物だけになる
そんな骨など
誰が拾うというのか
拾えない骨を
誰が作れと言ったのか
ジェットエンジン音が
空中を飛ぶ
それで構わない
何を知ろうと
それで構わないのだ
生きている事に変わりなく
その音が聞こえれば
死んでしまうのかと問えば
直ぐには死なないと言う
ならば
それで構わない
時間はあるのだ
二十一世紀は土着の時では無い
それは
二十世紀に置いてきた物だ
二十一世紀は意識の時である
ジェットエンジン音が
空を飛ぶ理由だ
一週間の内に
時間が無いから
四十八時間を
一日と換算した
日付が違うのは
午前と午後で分けた
身体が慣れるまで
時間はかかったが
社会人になれば
皆
そうするのだ
そんな
人口の減った未来の話が
面白かったで終わるのならば
それで良いが
それで終わった試しは無いのだ
人のリズムに楽譜は無い
毎日毎日
好きなように奏でている
人のリズムに限界はある
毎日毎日
好きなように奏でているから
足下の松ぼっくりを拾う
閉じているのは
昨日の雨のせい
ドライヤーで乾かせば
広がって
湿気を吸わぬよう
コーティングしてあげれば
クリスマスツリーに
使えるだろう
小さなプラスティックの木には
不釣り合いかもしれないが
雰囲気を味わうとは
真似てみる事から始まり
オリジナルを作れたら終わるのだ
三つ拾った松ぼっくりが
ポケットの中で
暴れている
僕の歩幅に合わせて