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私の責任 ※道徳・モラルジレンマ資料

作者:


この物語は、道徳教育で使用するモラルジレンマ資料の作成課題として創作したものです。登場する人物はすべて仮名であり、もちろん完全なフィクション作品です。


授業案例


1.対象学年

中学一年生

2.対応する学習指導要領の内容項目

自主、自律、自由と責任 ←→ 相互理解、寛容

3.主発問

例※A美さんはどのような態度でB太くんに接するべきだったでしょうか

①A美さんの両親のようにB太くんが何をしても子供だからと怒らず自由にさせる。

②子供でも結果として悪いことをしたのだから一貫して厳しく接する。


 中学一年生のA美さんは自然の豊かな地方に家族3人で暮らす一人っ子。ちょうど夏休みに入ったある日のこと、都会で暮らす従弟の小学2年生B太くんが何日か遊びに来ることになりました。

「面倒くさいなぁ……」

 A美さんは一人っ子なので子供と接するのが苦手です。しかもB太くんとは赤ん坊のころに見たっきりなのでなおさらでした。

「お姉ちゃんなんだからしっかり面倒見てあげてよね」

「B太くんとっても楽しみにしているそうだぞ」

「そういわれても……」

 A美さんの気持ちとは裏腹に両親は歓迎の準備を進めていました。


 そうしてB太くんがやってきました。

「A美。バーベキューの準備をするからB太くんと裏庭で自由に遊んであげなさい」

「はーい……」

 A美さんの家に来たB太くんは初めて見る青々とした自然に大興奮していました。

そこら中を駆け回ったり、手ごろな木によじ登ったりしています。

「A美おねーちゃんたのしーねー!」

「そうねー」

 A美さんは楽しんでいるならいいかと思い、B太くんから目を離してしまいます。

すると……パキッ!

「うわーん!」

 B太くんの乗っていた木が折れて落ちてしまいました。

幸いにも両親がすぐに駆け付けたので大事には至りませんでしたが、A美さんは怒られてしまいます。

「駄目じゃないか!目を離したりして」

「ちゃんと見てなさいって言ったじゃないの」

 もちろん目を離した自分も悪いとA美さんは感じていますが、B太くんの折った木は両親が大切にしていた梅の木でした。B太くんは何も言われていないので少し心の中がもやもやしています。


 それからA美さんはB太くんがいる間ずっとどんよりとした気分で過ごしていました。

 そしてB太くんが帰る前の晩。A美は自分の部屋でオルゴールを聞いて気分を休めました。誕生日に買ってもらった大切なオルゴールです。

 すると、音を聞きつけたのかB太くんが部屋に入ってきました。

「なにこれ?!」

「オルゴールだよ……」

「さわってもいーい??」

「ダメ」

「いいでしょー??」

「……」

 問答に飽きたのかB太くんはオルゴールに触ろうとします。

 その瞬間、先日の梅の木をB太くんが折った光景がA美さんの頭には浮かび……

気が付いた時にはA美さんはB太くんを叩いてしまっていました。

「あっ……」

「う、うわーん!」

 B太くんにオルゴールを壊そうという悪気がないのはA美さんもわかっていましたが、こうなってしまっては手遅れです。

「ごめんね……ごめん」

 A美さんはこの数日間の自分はどうするべきだったのかと、泣き声を聞きつけて両親がやってくるまでの間頭の中でぐるぐると考えていました。


このお話はフィクションであり、実在の人物などとは関係ありません。

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