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ゼンマイ仕掛けの自分
これではまるで機械だ。
決まった未来を、わかりきった日々を送る。
流れ、終わり、また流れる。
それでも明日は来てしまう。
雨でも何でもいい。この時間を洗い流してくれ。
「また雨か」
梅雨に入ってから、最近は雨続きだ。
煩わしそうに言い放ったが、俺は雨が嫌いではない。
いつもより暗い教室、蛍光灯の明かりがいつもより強く感じられる。
水分を含んだ廊下が、明かりに照らされ反射している。
世界の表情が変わったように。
俺の心に合わせるかのように。
「じめじめして嫌だよなー」
「お前はグラウンドで練習できないのが嫌なだけだろ」
「お!いい読みだ!」
とうに飽きたいつもの会話。
こいつと他の会話をする日は来るのだろうか。
「いいから席戻れよ、授業始まんぞ」
「ういー」
梅雨が明ければ夏休み。
遠慮なくバイトができる期間だ。
母の為にも、少しでも沢山稼ごう。
今年の夏は、例年より暑くなるそうだ。
そして俺の夏は、例年より退屈なモノになりそうだ。




