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リトリビューション  作者: セスラ
【二章】許された幸せ
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曇りガラスの先


彼女を送った後、俺は歩きながら呟いた。

「あの人の名前、聞き忘れたな・・」


名前も知らない人に菓子パンを(オゴ)ったのか、俺は。


自分の常識を再確認している時。



―――カチッ。


無意識の演算が始まった。


『母親の酷く長い説教が始まる』


「あっ・・・」

忘れていた。

もともと説教の予定はあったが。


いや、それより。

「未来が、変わった?」

彼女と関わった結果、俺の未来が変わった。



どうやら、彼女を通した未来は不確定なものに変わるようだ。


【未来演算】にスモークをかける存在。


そのせいで、彼女が『何時(イツ)何処(ドコ)で、どうやって死ぬ』のか分からない。

絶対の未来は存在しない。しかし。

スモーク越しにもわかる『彼女の死』は、もう確定した未来なのかもしれない。



「助けて、か。」

何を思って呟いたのか。

それは俺にもわからない。



それより今は、帰ってからのお説教の心構えをしておこう。

分かっている未来にも、恐怖はやっぱりあるもんだ。


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