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ナヨク①
私はトゥマルクァンに横に抱えられた。
「君はなんだい」
ナヨクは彼を睨んだ。
「彼女を救いに来た男だ。我ら獣人を実験台にする悪の王め!」
月下の元でトゥマルクァンはナヨクと言い争う。
私はこのまま彼と逃げようとも思ったがペレムが残されている。
◆どうしよう?
→〔抵抗する〕
〔抵抗しない〕
「折角だけど、ごめんなさい」
私は彼から離れて自ら檻へ入る。ここのほうがいくらか安全の気もするからだ。
「なら仕方ない。また来るよ!」
トゥマルクァンは消えてしまった。
「まて……!」
――彼は一体何者なのかしら。
「なぜ、檻に戻ったのかな?」
「ナヨク陛下はそのほうが良いのでしょう?」
そう答えると、王が驚いた顔をする。
「ここまで実験に協力的だとは……」
「質問をしてもよろしいですか?」
「いいよ」
「陛下は研究で世界統一がしたいんですか?」
私の角ごときでそんなことは無理だろうが、彼にはそのくらい大きな野望があるに違いない。