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なんでも願いを3つ叶えてくれるって言うから……

作者: イカルガ

某ネットスラングを参考に書いてみました。

俺は冴えないサラリーマンだ。安い給料、ボロいアパート、金なし彼女なし夢なしのつまらない日常を過ごしている。今日も上司に理不尽に怒られて帰宅が遅くなり、電灯もまばらで真っ暗な道をトボトボ歩いて帰宅していた。


「はぁ……もう働きたくないなぁ」


最近は毎日そんなことを言っている。しかし稼がなければ生きていけない。色々考えてはいるが、結局何も変わらないまま同じ毎日を送っている。


そんな時だった、微かな声のような音を聞いた気がした。いつもの俺なら気にも留めなかったと思うが、今日の俺は何故かそれが気になった。耳を澄ませてその方向を調べ、俺は声のする方へ足を向けた。


しばらく歩いて行くと、そこにはダンボール箱が置いてあった。何となく読めたが、一応そのフタを置けてみると、1匹の猫がいた。弱々しい声を発しており、動物に詳しくない俺でも弱っているんだということが分かった。


しかし申し訳ないが、俺の住むアパートはペット禁止だ。もし大家に知れてしまったら最悪追い出されてしまうだろう。ボロアパートだが家賃の割に条件が悪くないので、割と気に入っている。今追い出されては困るのだ


「すまんな、俺じゃあお前を救ってやることはできない。いい人に拾われるといいな」


そう言って、俺はその声を遮ってダンボールを閉じた。





家に帰った俺は、先ほどの猫に温めた牛乳を与えていた。


「なにやってんだか……」


自分でもなぜこんな事をしたのか分からない。疲労がピークで正常な判断ができなかったのだろうか。


しかし、夢中で皿の牛乳を舐めている猫を見ると、そんなことがどうでも良くなってくるような気がした。


「まぁいいか、大声では鳴かないだろうし。どうするかは明日考えよう」

疲れ果てた俺は猫を助けたことに満足し、風呂にも入らずにそのままベッドに倒れこんだ。






「……きろ!」


「んん〜?」


「起きろ!」


「んんん〜?」


「ええい、さっさと起きんかい!」


「うわっ!?」


いきなり布団をめくられてベッドから叩き起こされた。いったい誰だ?鍵はきちんとしめたはずだが。


「やっと起きたか」


「え……一体あんた誰だ!?」


俺が驚いたのも無理はない。その声の主、太った大柄のおっさん(猫耳付き)が目の前にいたのだから。明らかに不審者である。それが深夜俺の部屋に不法侵入していたのだ。


「とりあえず警察!」


「まぁ待てや」


そいつは俺の手からスマホを取り上げた。


「くそっ、返せ!て言うかお前誰だ!?なんでここにいる!?」


「しゃあないの、説明したるわ。わしは猫神。お前が助けたかわいい子猫や」


「嘘をつくな変質者!」


「誰が男前や!ホンマに!」


言ってねーよ。


「まぁ本題に入るで、お前はこ汚い姿のわしを見捨てることなく救いの手を差し伸べた。この世知辛い人間界でよぉそんな親切モンがおったもんや。わしは感動しとるんやで?」


「はぁ……」


なんだこいつ、胡散臭すぎる。俺は疑いの視線をジトーっと送って話を聞く。


「そんなキラキラした目で見られたら照れるやろ。続けるで、そんでな、親切なお前に礼としてなんでも願いを3つ叶えたろうと思っとんねん、どや?」


「まぁ……叶えてくれるんならありがたいんですけど……」


「なんやお前、はっきりせんやっちゃな。損することはないんや。騙されたと思って、ほら、なんか言ってみ?」


おいおっさん、猫耳ピコピコ動かして上目遣いで見るんじゃない。ただひたすらにキモいだけだそれは。


うーむ、どうやら俺は夢を見ているらしい。今日は特に疲れていたからな。まぁ夢ならいいか。俺は持っている願望を全部伝えることにした。


「じゃあまず、『一生遊んでも使い切れないほどの大金が欲しい』!」


「ほい」


「次に、『全国各地に大豪邸が幾つも欲しい 』!」


「あいよ」


「最後に、『一度に相手しきれないほどの人数の美女に囲まれていたい』!」


「おっけい」


はー、はー、どうだ!見事なまでに吹っ切れた妄想だろ!叶えられるもんなら叶えてみろってんだ!


「それでええな?ほんなら今言った願い3つ、叶えたるで」


「あーはいはい、どうぞお願いします。明日も会社あるんで早めにお願いしますね」


「はん、次目ぇ覚ました時腰抜かすなよ」


「全く変な夢だ……って、ええ!?」


急に俺の足元が光り始めた。一体何なんだ!?


「あわてんなや、すぐ終わる」


「え、ええ!?なぁ夢だろ?これはただの俺の夢なんだろ?」


「夢か、そう思うんなら別にかまへんけどな。じゃあな、牛乳うまかったで」


「ちょっ」


次の瞬間、俺の意識は白い光に飲み込まれていった。

























気がつくと俺は、中国共産党の幹部になっていた。

元ネタが気になった方は「3つ 願い 中国共産党」などで検索すると出てくると思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。引き込まれました。また次回作あれば読みたいです。
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