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気づけば幼女に

2話です。

有り難うございます。

ーー真っ白い空間。

無音の静けさが漂う何処までも何処までも永遠に続く最果てが無い終わりが無い。ただただ、永遠に空間が広がっているだけの何も無い、何も存在しない真っ白い空間世界。だが、何も無い筈の真っ白い空間世界に人が二人存在している。


「…ん、スゥースゥー…」


その存在している一人は大型トラックに跳ねられ死んだ筈だと思われる不良だが。

つい今しがた死んだ人間とは思えない安らかな顔で寝むている。


「ーーお○○ちゃんーー」


不良の隣でしゃがんだままお○○ちゃんと声を掛けているもう一人は、真っ黒いミニワンピースを着た7、8歳ぐらいの幼女だ。容姿は目がクリクリっと大きく少しツンツンとしているが、とても愛嬌がある可愛らしい顔立ちをしている。


髪は黒髪で太股辺りまで伸びたボリューミーな柔らかい髪質であるが故か、髪全体の毛先達は嵐のように跳ねまくっている。だが、それよりも、目を引くのは、髪の色は黒だが何故か髪の毛先達の端っこだけが不思議な事に薄く金に輝いているのだ。


そんな不思議な見た目の子供が真っ白い空間世界の地べたで仰向けで眠る不良を起こそうとしているのだが。


「…ん、煩い……スゥースゥー」


「ーー起きて…起きて下さい……はぁー起きないなー・・・

起きろ~~~むむむ起きないとー悪戯しちゃうぞ~……グヘへ……」


ーー子供はジーと不良の顔を間近で眺めながら不良に悪戯を始めていく。


「ーーースゥー・・・ん・・・ん~・・」


「・・・あっ、鼻血がー・・・」


ボタボタと生暖かくて熱い液体が子供の鼻から垂れ不良の顔に向かって落ちる。


「・・・ん、ん~……スゥー…ス…あっ…あつ…熱いっ!!なんだ…?!」


寝ていた不良は熱湯でも掛けられたかのように真っ白い空間でガバッ!?と身を起こし眠りから目を覚ました。


光を照す電化製品も太陽も何もない無い、真っ白い空間世界を、何の法則もなく照らしているまぶしい光が不良の瞳に刺激を与える。


「っ、眩しい……」


目に突き刺さるような眩しい光を不良は手で遮り。徐々にその光に慣れさせていく。


「…ここは…何処だ・・・?確か…私…俺は……」


「やっと起きたましたね。お◯◯ちゃん」


「……ん?」


声をかけられた不良は身を起こしたまま後ろを振り向くと。

そこには、鼻血をボタボタと出しながら満面の笑みをした子供が立っていた。


…あれ?この女の子?・・・確か…トラックに轢かれる寸前に突き飛ばした子供だよな・・・?


「…って!?お前鼻血すごいなっ!大丈夫か……?」


「え?あっ・・・これわ失礼しました・・・てへぺろ」


「……てへぺろってお前・・・ん?」


不良は子供を突き飛ばした時にでも怪我でもさせたかなと思い。

自分の手を後ろにいる子供に向けようとしてある事に気付く。


「……んん?手が……小さい??」


自分の体の違和感に気付き不良は座り込んでいた地べたからお尻を浮かし。

立ち上がりながら自分の体の違和感を再確認していく。


「……まさか子供になってるのか……?!」


「…クックックッ…驚いてますね…」


その不良の行動を見ながら黒髪の子供は厨二病患者よろしく怪しく笑い。

スッと腕を上げ人差し指と親指を合わせ弾く。


しかし。


「あれれ?」


パッチンと音を鳴らそうとするが。スカる。


「このこの!」


何度指を弾いても指から音が出ない出ない。


黒髪の子供は指から音を出そうと躍起になり顔をみるみる赤くさせていく。


「ぬー!」


ぬーと奇っ怪な言葉を出しながら顔を真っ赤ッかにさせる黒髪の子供だったが。

指で弾くのを止め口でパッチンと発し。何もない所からティッシュを出現させる事に成功。


「むっふー」


むっふーと言ったその顔はとても満足げである。


ティッシュをくるくると捻り小さな鼻に詰めはじめる。


「へっくしゅい!」


くしゃみが出ちゃった何処までも決まらない子供は顔を真っ赤にさせたまま。


鼻声で満面の笑みで不良にこう伝える。


「にひひ、お◯◯ちゃんに悪戯しひゃった、・・・・てへぺろ」


2話終りです。

お疲れ様でした。

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